「五里霧中」という言葉には、「物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「五里霧中」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「五里霧中」の意味は『物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること』
五里霧中の読み方は「ごりむちゅう」です。
語源は、中国・後漢の『後漢書』という歴史書にある説話です。
人嫌いの張楷という儒学者が、自分の元に来客が来ることを嫌い、姿をくらますために五里(約20km)にもわたる霧を起こしたという話が由来となっています。
このことから、手がかりがつかめないことや手探り状態であることを意味する四字熟語として使われるようになりました。
『五里霧中』には
- 物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること
- 事情などがはっきりしない中、手探りで何かをする意
などの意味があります。
「五里霧中」の正しい使い方を例文で紹介!
「五里霧中」は、物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たなくて困ることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
経験者がみんな退職してしまい、今回のイベントは五里霧中だ。
例文②
五里霧中のなか、よくやり切った。
例文③
見知らぬ土地で暮らし始め、五里霧中の状態だったがだんだんと慣れてきた。
例文④
パソコンが数日前から動かなくなってしまい、どうしたらよいか五里霧中です。
例文⑤
この事件は目撃者が少なく、五里霧中の状態だ。
【五里霧中を使う時の注意点】
「五里霧中」は、「五里夢中」と間違えられやすいため、注意が必要です。
間違えないように気をつけましょう。
「五里霧中」の類義語・言い換え4選
『五里霧中』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 暗中模索
- 曖昧模糊
- 有耶無耶
- 空空漠漠
類義語①暗中模索の意味
手がかりのないまま、あれこれとやってみること。
引用:goo辞書
経験者が少ない暗中模索の中、オープニングスタッフみんなで頑張ってオープンを迎えることができた。
類義語②曖昧模糊の意味
はっきりせず、ぼんやりしているさま。あやふやなさま。
引用:goo辞書
返ってきたのは曖昧模糊とした回答だった。
類義語③有耶無耶の意味
はっきりしないさま。曖昧なさま。また、いいかげんなさま。あるかないか、はっきりしない意。
引用:goo辞書
彼女に昨日のことを聞いてみても、有耶無耶にされてしまった。
類義語④空空漠漠の意味
果てしもなく広いさま。また、とりとめもなくぼんやりしたさま。
引用:goo辞書
目標にしていた試験が終わってしまい、空空漠漠とした気持ちで日々を過ごしている。
「五里霧中」と「暗中模索」の違いは?
「五里霧中」と「暗中模索」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「五里霧中」には物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ることという意味がありますが、
それに対し「暗中模索」には、手がかりのないまま、あれこれとやってみることという意味があります。
「五里霧中」は、どうしたらよいのか迷うことや手探り状況であることを意味しますが、「暗中模索」は、わからないなりにあれこれと試行錯誤をしててを尽くすことという意味です。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「五里霧中」は英語で『totally at a loss』
五里霧中は英語の『totally at a loss』に言い換えることができます。
英語の『totally at a loss』には
- 五里霧中
という意味があります。
「五里霧中」の対義語・反対語は『一目瞭然』
五里霧中の対義語は、『一目瞭然』になります。
一目瞭然には
- 一目見ただけで、はっきりとわかるさま
- 一目で明らかにわかるさま
などの意味があり、一目見ただけで、はっきりとわかる様子を表す際に用いられます。
物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ることを意味する「五里霧中」に対して、一目見ただけで、はっきりとわかるさまという意味の「一目瞭然」は、反対の意味の言葉として使うことができます。