「なぞらえる」という言葉には、「ある物事を類似のものと比較して、仮にそれとみなす」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「なぞらえる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「なぞらえる」の意味は『ある物事を類似のものと比較して、仮にそれとみなす』
なぞらえるの漢字表記は「準える」です。
語源は、ある物事に基づいて他の物事を比べたり、それにならわせたりすることを意味する「なぞる」です。
『なぞらえる』には
- ある物事を類似のものと比較して、仮にそれとみなす
- 擬する
- まねて作る
- にせる
- なずらえる
などの意味があります。
「なぞらえる」の正しい使い方を例文で紹介!
「なぞらえる」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①ある物事を類似のものと比較して、仮にそれとみなす時
何かに例えたり比喩的に表現したい時に使われます。
【例文①】

よく人生は航海になぞらえる。
【例文②】

これは怒りを嵐になぞらえて作られた短歌です。
例文②まねて作ったことを表す時
何かに倣って作られたり、模倣したことを表す時に使われます。
【例文①】

これは昔の設計図になぞらえて作られたお城のレプリカです。
【例文②】

新制度はアメリカの社会保障モデルになぞらえて作られました。
【なぞらえるを使う時の注意点】
「なぞらえる」は、自分があるものを別のものにたとえたり、まねたりする表現です。
日常会話よりは、文章中によく使われる言葉ですので覚えておきましょう。
「なぞらえる」の類義語・言い換え3選
『なぞらえる』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- たとえる
- 見立てる
- 模倣
類義語①たとえるの意味
わかりやすく説明するために、ある物事を引き合いに出していう。なぞらえる。
引用:Weblio辞書

人生はよく山登りにたとえられる。
類義語②見立てるの意味
別のものになぞらえる。仮にそのものと見なす。
引用:Weblio辞書

娘は滑り台をお城に見立てて遊んでいる。
類義語③模倣の意味
他のものをまねること。似せること。
引用:Weblio辞書

それはハイブランドバッグの模倣品です。

「なぞらえる」と「たとえる」の違いは?
「なぞらえる」と「たとえる」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「なぞらえる」にはある物事を類似のものと比較して、仮にそれとみなすという意味がありますが、
それに対し「たとえる」には、わかりやすく説明するために、ある物事を引き合いに出していうという意味があります。
「なぞらえる」は、あるものに似せて比べる・模倣するというニュアンスで使われることが多く、書き言葉としてよく用いられますが、「たとえる」は比喩を表す言葉で日常会話などでも広く使われる表現です。
「なぞらえる」は英語で『liken to』
なぞらえるは英語の『liken to』に言い換えることができます。
英語の『liken to』には
- 準える
- 見立てる
- たとえる
などという意味があります。
「なぞらえる」の対義語・反対語は『独創』
なぞらえるの対義語は、『独創』になります。
独創には
- 模倣によらないで、独自の発想でつくりだすこと
などの意味があり、模倣によらないで、独自の発想でつくりだすことを表す際に用いられます。

ある物事を類似のものと比較して、仮にそれとみなすことや、まねて作るという意味の「なぞらえる」に対して、模倣によらないで、独自の発想でつくりだすことという意味の「独創」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
