「御用達」という言葉には、「宮中・官庁などへ用品を納めること」という意味があります。
現代ではお気に入りの店などを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「御用達」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「御用達」の意味は『宮中・官庁などへ用品を納めること』

御用達の読み方は「ごようたし」です。
語源は、江戸幕府で使われていた言葉です。
「御用を達する」から派生し、将軍家や藩に物資を納入する商人を「御用達商人」と呼んだことから、特定の顧客に重用される店を意味するようになったと言われています。
この意味が転じて、現代ではよく利用するお店やサービスなどを表す時にも用いられます。
『御用達』には
- 宮中・官庁などへ用品を納めること
などの意味があります。
「御用達」の正しい使い方を例文で紹介!

「御用達」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①宮中や幕府など、権威ある組織に物品を納めることを許された商人や店を表す時
権限のある組織に物品を納めるときに使われるお店や商人を表す時に使われます。
【例文①】

その老舗は、江戸時代から将軍家御用達の和菓子店だった。
【例文②】

この子供服店は、皇室御用達として有名です。
例文②ある人物や組織にとってよく利用される、信頼されている店などを表す時
「行きつけ」や「常連」などのニュアンスで使われます。
【例文①】

この喫茶店は、私の在宅ワーク御用達の場所だ。
【例文②】

これはキャンプ好き御用達メーカーの椅子です。
【御用達を使う時の注意点】
「御用達」は、本来は宮内庁や将軍家など権威ある組織に物品を納める店を指す格式ある言葉ですが、現代では「行きつけ」「常連」の意味でもカジュアルに使われます。
また、「ごようたし」と読むのが一般的ですが、「ごようたつ」と読んでも間違いではありませんので、併せて覚えておきましょう。
「御用達」の類義語・言い換え4選

『御用達』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 馴染み
- 贔屓
- 行きつけ
- 気に入り
類義語①馴染みの意味
なれ親しんで知っていること。また、その人。
引用:Weblio辞書

ここは古くからの馴染みの店です。
類義語②贔屓の意味
気に入った人を特に引き立てること。後援すること。また、引き立てる人。
引用:Weblio辞書

彼は昔から地元企業を贔屓にして取引を続けている。
類義語③行きつけの意味
たびたび訪れて(定期的に通って)いる店、特に店の者と顔なじみになっている者を指す言い方。
引用:Weblio辞書

ここが僕の行きつけの居酒屋です。
類義語④気に入りの意味
(多く「おきにいり」の形で)好みに合うこと。好ましく思うこと。また、その人や物。
引用:Weblio辞書

ここは最近お気に入りのパン屋さんです。

「御用達」は英語で『purveyor』

御用達は英語の『purveyor』に言い換えることができます。
英語の『purveyor』には
- (食料品などの)調達者
- 仕出し屋
- まかない屋
という意味があります。
「御用達」の対義語・反対語は『馴染みがない』

御用達の対義語は、『馴染みがない』になります。
馴染みがないには
- 慣れ親しんでいないこと
などの意味があり、親しみがないことを表す際に用いられます。

まだ引っ越してきたばかりで、この街に馴染みがない。
宮中・官庁などへ用品を納めることや、よく利用するお店やサービスという意味の「御用達」に対して、慣れ親しんでいないことという意味の「馴染みがない」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
