「破天荒」という言葉には、「前人のなしえなかったことを初めてすること」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「破天荒」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「破天荒」の意味は『前人のなしえなかったことを初めてすること』
破天荒の読み方は「はてんこう」です。
語源は、宋の時代の中国の説話集『北夢瑣言(ほくむさげん)』にある話です。
これまで科挙に合格する者がいなかった荊州(けいしゅう)という土地は、荒れ果てた不毛の地という意味の「天荒」と呼ばれていました。
やがて、劉蛻(りゅうぜい)という者が科挙に合格して「天荒」を破ったことから、これまでに成し遂げたことのないことをする、という意味の「破天荒」という言葉が成り立ったと言われています。
『破天荒』には
- 前人のなしえなかったことを初めてすること
- 前代未聞
- 未曾有
などの意味があります。
「破天荒」の正しい使い方を例文で紹介!
「破天荒」は、大胆で型破りであることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼は破天荒な人で、社内に新たな風を巻き起こした。
例文②
自転車だけで全国を回るという、破天荒な挑戦をしています。
例文③
時には破天荒な行動も必要だ。
例文④
彼の破天荒な発言にはヒヤヒヤさせられる。
例文⑤
新しい部長は破天荒なタイプで、チャレンジャーです。
【破天荒を使う時の注意点】
「破天荒」は、本来誰も成し遂げたことのないようなことを初めて行うという意味ですが、最近では「大胆で型破りであること」という意味でよく使われます。
元の意味には、豪快で大胆であるという意味はありませんが、言葉の意味は時代の変遷により変わっていくことがあるため、そのようなニュアンスでも使っても間違いではないとされています。
「破天荒」の類義語・言い換え4選
『破天荒』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 前代未聞
- 前人未到
- 未曾有
- 空前絶後
類義語①前代未聞の意味
これまでに聞いたこともないような珍しく変わったこと。また、たいへんな出来事。
引用:goo辞書
彼女は前代未聞の快挙を成し遂げた。
類義語②前人未到の意味
過去にだれも到達したり足を踏み入れたりしていないこと。いままでだれも成し遂げたことがないということ。
引用:goo辞書
彼の研究は前人未到の成果をあげた。
類義語③未曾有の意味
今までに一度もなかったこと。また、非常に珍しいこと。希有 (けう) 。みぞうう。
引用:goo辞書
あれは、未曾有の大地震だった。
類義語④空前絶後の意味
非常に珍しいこと、まれなこと。今までに例がなく、これからもあり得ないという意から。
引用:goo辞書
今日の試合は、空前絶後の大勝負になるだろう。
「破天荒」は英語で『unprecedented』
破天荒は英語の『unprecedented』に言い換えることができます。
英語の『unprecedented』には
- 先例のない
- 空前の
- 前代未聞の
- 新しい
- 新奇な
という意味があります。
「破天荒」の対義語・反対語は『踏襲』
破天荒の対義語は、『踏襲』になります。
踏襲には
- 前人のやり方などをそのまま受け継ぐこと
の意味があり、これまでのやり方などをそのまま引き継いで行うことを表す際に用いられます。
新人の僕は、これまでのやり方を踏襲するので精一杯です。
前人のなしえなかったことを初めてすることという意味の「破天荒」に対して、前人のやり方などをそのまま受け継ぐことという意味の「踏襲」は、反対の意味の言葉として使うことができます。