「阿吽の呼吸」という言葉には、「二人以上で一緒に物事を行う時、互いの気持ちが一致すること」という意味があります。
ビジネスシーンやスポーツでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「阿吽の呼吸」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
阿吽の呼吸の意味は『二人以上で一緒に物事を行う時、互いの気持ちが一致すること』

阿吽の呼吸の読み方は「あうんのこきゅう」です。
語源は、神社の邪気を祓う狛犬や寺院の表門などにある「仁王像」「金剛力士像」から来ており、
向かって右側で口を開けて「あ」と表現しているものが「阿像」、口を閉じて「うん」と表現しているものが「吽像」で対になって呼吸を表す様子が転じてできた言葉です。
『阿吽の呼吸』には
- 二人以上で一緒に物事を行うときの、互いの微妙な気持ちが一致すること
などの意味があります。
「阿吽の呼吸」の正しい使い方を例文で紹介!

「阿吽の呼吸」は、二人以上で何かをする時、絶妙なタイミングや間合いでピッタリと一致し、お互いの呼吸が合っている様子を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

優勝する為には、選手達の阿吽の呼吸が必要になると思います。
例文②

先輩と私は阿吽の呼吸で仕事をこなしているので終わるのが早いです。
例文③

私の両親は長年連れ添っているので、阿吽の呼吸で何が欲しいのか分かってしまいます。
例文④

学生時代からの親友同士なので、阿吽の呼吸で理解しているようです。
例文⑤

彼らは長年ペアを組んでいるので、阿吽の呼吸で勝利し喜んでいました。
【阿吽の呼吸を使う時の注意点】
「阿吽の呼吸」は息が合っている様子を指し、基本はその様子を見た第三者が使う言葉です。
親しい間柄や、同じ目標に向かって協力している状況で使われることが多く、ポジティブな状況を表す言葉です。
また、ビジネスシーンなどで初対面の人や立場が異なる人に対して使うと、誤解を生む可能性があるので注意が必要です。
「阿吽の呼吸」の類義語・言い換え5選

『阿吽の呼吸』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 以心伝心
- 息が合う
- 暗黙の了解
- 馬が合う
- シンクロ
類義語①以心伝心の意味

祖父母は以心伝心で、何となくわかっている様子です。
類義語②息が合うの意味
物事を行う調子や気分がぴったり合う。
引用:コトバンク

娘が所属している吹奏楽部は、みんな息が合った演奏で感動しました。
類義語③暗黙の了解の意味

経理部には、特有の暗黙の了解が存在しています。
類義語④馬が合うの意味
気がよく合う。意気投合する。
引用:コトバンク

彼女とは妙に馬が合うので、いつも一緒に出社しています。
類義語⑤シンクロの意味
シンクロは「シンクロナイズ」を略した言葉です。
シンクロナイズの意味
- 同時化すること。時間的に一致させること。
- 映画・テレビなどで、撮影と録音とを別々に収録し、あとで1本のフィルムに面画と音声が合うようにまとめること。
- 写真撮影で、写真機のシャッターの作動とフラッシュやストロボの発光を同調させること。
引用:weblio辞書

私の子どもは双子だからか、二人の寝相がシンクロしていて面白いです。

「阿吽の呼吸」と「以心伝心」の違いは?

「阿吽の呼吸」と「以心伝心」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「阿吽の呼吸」には二人以上で一緒に物事を行う時互いの気持ちが一致することという意味がありますが、
それに対し「以心伝心」には、心の内で思っていることが、声に出さなくても互いに理解しあえることという意味があります。
どちらも心が通じ合っている様子を指していますが、「阿吽の呼吸」は心が通じ合うだけでなく行動も伴っている時に使われます。
一方で「以心伝心」は心が通じ合ってるだけで行動が伴う必要がない時に使われる言葉です。
「阿吽の呼吸」は英語で『have good chemistry』

阿吽の呼吸は英語の『have good chemistry』に言い換えることができます。
英語の『have good chemistry』には
- 相性が良い
- 気が合う・ウマが合う
という意味があります。
「阿吽の呼吸」の対義語・反対語は『同床異夢』

阿吽の呼吸の対義語は、『同床異夢』になります。
同床異夢には
- 同じ床に枕を並べて寝ながら、それぞれ違った夢を見ること
- 同じ事を行いながら、考えや思惑が異なること
などの意味があり、同じ事を行いながら考えや思惑が異なることを表すときに用いられます。

同じチーム内でも、絶対に勝ちたい選手と負けても楽しみたい選手がいて、同床異夢です。
「阿吽の呼吸」は二人以上で一緒に物事を行う時互いの気持ちが一致することを指し、「同床異夢」は同じ事を行いながら考えや思惑が異なることを指しています。
