「ひとしお」という言葉には、「ほかの場合より程度が一段と増すこと」という意味があります。
スピーチなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ひとしお」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「ひとしお」の意味は『ほかの場合より程度が一段と増すこと』
ひとしおの漢字表記は「一入」です。
語源は染料の中に染物をつけることです。
ひとしおの「しお」は、染料につける回数を表しており、「ひとしお」は、染料に染物を1回つけることを意味しています。
染物は、染料につける回数が多いほど色が濃くなるため、だんだん発色が良くなっていく様子から「ひとしお」は「
程度が増す」という意味合いをもつようになりました。
『ひとしお』には
- ほかの場合より程度が一段と増すこと
- いっそう
- ひときわ
- 染め物を染め汁の中に1回つけること
などの意味があります。
「ひとしお」の正しい使い方を例文で紹介!
「ひとしお」は、ほかの場合より程度が一段と増すことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
無事に結婚式を終えることができ、喜びもひとしおです。
例文②
お子さんの誕生、家族の皆様は喜びもひとしおのことでしょう。
例文③
この間まで赤ちゃんだったのに、もう小学生とは感慨もひとしおです。
例文④
やっと昇進が決まり、達成感もひとしおです。
例文⑤
7月になり、暑さもひとしおですね。
【ひとしおを使う時の注意点】
「ひとしお」は、日本で古くから使われている「大和言葉」の1つです。
日常生活で「ひとしお」を使うと、やや大袈裟なイメージを持たれますので、人生において大きなポイントとなるような出来事に使うようにしましょう。
「ひとしお」の類義語・言い換え3選
『ひとしお』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- ひときわ
- 一層
- 一段と
類義語①ひときわの意味
他と比べて特に目立っているさま。
引用:goo辞書
彼は、ひときわ輝いて見える。
類義語②一層の意味
程度がいちだんと進むさま。ひときわ。ますます。
引用:goo辞書
プロジェクトリーダーに任命され、仕事に一層力が入ります。
類義語③一段との意味
他と比べた場合にはっきりと相違があるさまを表す表現。特別に。格別に。
引用:Weblio辞書
今日はまた、一段と寒いですね。
「ひとしお」と「ひときわ」の違いは?
「ひとしお」と「ひときわ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「ひとしお」にはほかの場合より程度が一段と増すことという意味がありますが、
それに対し「ひときわ」には、他と比べて特に目立っているさまという意味があります。
どちらも程度が一段と高い様子を表す言葉ですが、「ひときわ」は、視覚的に他よりも目立っていることを意味します。
また、「ひとしお」は基本的にポジティブな事柄で使われますが、「ひときわ」はポジティブ・ネガティブどちらの事柄についても使うことができますので、文脈から意味を判断するとよいでしょう。
「ひとしお」は英語で『specially』
ひとしおは英語の『specially』に言い換えることができます。
英語の『specially』には
- 特別に
- 格別に
などという意味があります。
「ひとしお」の対義語・反対語はありません
ひとしおの対義語は、ありません。