「飽和状態」という言葉には、「それ以上余地のない様子」という意味があります。
ビジネスシーンや科学分野でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「飽和状態」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「飽和状態」の意味は『それ以上余地のない様子』
【飽和の意味】
1 含みもつことのできる最大限度に達して、それ以上余地のないこと。
2 ある条件のもとで、ある量が増加していき、それ以上増加しなくなる最大限に達した状態。
3 やっていることに飽きがくること。疲労とは区別される。心的飽和。
引用:goo辞書
飽和状態の読み方は「ほうわじょうたい」です。
語源は、最大限に達した状態を意味する「飽和」と、人や物事のありさまを意味する「状態」が組み合わされた言葉です。
『飽和状態』には
- それ以上余地のない様子
- それ以上増加できないくらいいっぱいになっていること
- 温度と圧力の関係がそれぞれの冷媒によって定まっている、液体と蒸気が共に存在する状態
などの意味があります。
「飽和状態」の正しい使い方を例文で紹介!
「飽和状態」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①ビジネスで使う時
求人に対して求職者が多い場合や、新規参入の余地がない状態を表す際に使われます。
【例文①】
近年、在宅ワークが流行し、人材が飽和状態になっているらしい。
【例文②】
インターネットビジネスは、飽和状態です。
例文②科学分野で使う時
物質がこれ以上溶けないことや空気が限界まで水蒸気を含んでいる状態を表す時に使われます。
【例文①】
飽和状態になるまで、物質を溶かす実験をした。
【例文②】
室内の水蒸気量が飽和状態になる温度を計算しました。
【飽和状態を使う時の注意点】
「飽和状態」は、ビジネスシーンや日常生活では、余地がないほどいっぱいの状態を意味しますが、科学分野では物質が溶解度まで溶けていることを意味します。
使われるシーンによって意味合いが全く異なりますので、注意しましょう。
「飽和状態」の類義語・言い換え2選
『飽和状態』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 満杯
- 手一杯
類義語①満杯の意味
今日の予約は満杯になりました。
類義語②手一杯の意味
それ以上他のことをする余裕のないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
今受けている業務で、正直手一杯です。
「飽和状態」は英語で『saturation state』
飽和状態は英語の『saturation state』に言い換えることができます。
英語の『saturation state』には
- 飽和状態
という意味があります。
「飽和状態」の対義語・反対語は『不足』
飽和状態の対義語は、『不足』になります。
不足には
- 足りないこと
- 十分でないこと
- 満足でないこと
などの意味があり、足りないことや十分ではないことを表す際に用いられます。
世間ではお米が不足しています。
それ以上増加できないくらいいっぱいになっていることを意味する「飽和状態」に対して、足りないことや満足でないことという意味の「不足」は、反対の意味の言葉として使うことができます。