「不退転」という言葉には、「信念を持ち、何事にも屈しないこと」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「不退転」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「不退転」の意味は『信念を持ち、何事にも屈しないこと』

不退転の読み方は「ふたいてん」です。
語源は仏教用語です。
仏教用語の「不退転」は、修行中に得た悟りを失わないことや、信仰のための強い精神力、理想へ向かって努力し続けることを意味しています。
このことから、強い信念を持ち、何事にも屈しないことという意味として日常的に使われる言葉となりました。
『不退転』には
- 信念を持ち、何事にも屈しないこと
などの意味があります。
「不退転」の正しい使い方を例文で紹介!

「不退転」は、信念を持ち、何事にも屈しないことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は不退転の覚悟で、彼女と生きていくことを決めた。
例文②

不退転の覚悟を持って試合に臨む。
例文③

不退転の思いで努力し続けてきました。
例文④

部長の不退転の精神を見習いたい。
例文⑤

不退転の意思を持って、最後までやり遂げることを宣言いたします。
【不退転を使う時の注意点】
「不退転」は揺るがない決意や強い覚悟を示すため、日常会話で使われるというよりは、改まった場面などで使われることの多い言葉です。
堅苦しい印象をもたれる可能性もあるので、時と場合に応じて用いるようにしましょう。
「不退転」の類義語・言い換え4選

『不退転』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 不撓不屈
- めげない
- 強固
- 不抜
類義語①不撓不屈の意味
強い意志をもって、どんな苦労や困難にもくじけないさま。
引用:goo辞書

私の好きな言葉は、不撓不屈です。
類義語②めげないの意味
苦難に対してくじけない、あきらめない、がんばる、と言った意味の表現。
引用:Weblio辞書

こんなことでは、めげないぞ!
類義語③強固の意味
強くしっかりして、ゆるがないさま。
引用:goo辞書

彼からは、強固な意志を感じる。
類義語④不抜の意味
しっかりしていて動かないこと。意志が強くて動揺しないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書

スポーツを通して、不抜の精神を得ることができました。

「不退転の決意」と「不退転の覚悟」の違いは?

「不退転の決意」と「不退転の覚悟」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「不退転の決意」には自分の意志をはっきりと決めることという意味がありますが、
それに対し「不退転の覚悟」には、何事にも屈することなく、困難に立ち向かう心構えという意味があります。
「不退転の決意」は心の中で固まっている強い意志を表しますが、「不退転の覚悟」は、どんなことが起きても受け入れるという強い心の準備を表します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「不退転」は英語で『determination』

不退転は英語の『determination』に言い換えることができます。
英語の『determination』には
- 決心
- 決意
- 決断力
- 決定
などという意味があります。
「不退転」の対義語・反対語は『意志薄弱』

不退転の対義語は、『意志薄弱』になります。
意志薄弱には
- 意志が弱くて決断することができないこと
- 物事を我慢する気持ちの弱いさま
- 一度決めたことを、人の意見ですぐ翻すこと
などの意味があり、意志が弱くて決断することができないことを表す際に用いられます。

意志薄弱な弟を見ているとイライラします。
信念を持ち、何事にも屈しないことという意味の「不退転」に対して、意志が弱くて決断することができないことという意味の「意志薄弱」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
