「手こずる」という言葉には、「取り扱いかねて、もてあます」という意味があります。
作業の状況報告などによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「手こずる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
手こずるの意味は『取り扱いかねて、もてあます』
手こずるの読み方は「てこずる」です。
語源は江戸時代の流行語です。
梃子で物を動かそうとしても、ずれてしまう「てこずれ」の意味から来ています。
『手こずる』には
- もてあます・手にあまる
- 処置に困る
- 解決に手間取る
などの意味があります。
「手こずる」の正しい使い方を例文で紹介!
「手こずる」は、作業の状況説明に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
このプログラムを作るのにかなり手こずってしまっています。
例文②
幼い子供を泣き止ませるのに手こずって遅刻してしまいました。
例文③
今日の作業は手こずるかもしれませんから、逐一相談をしてください。
例文④
この作品を作るのには非常に手こずってしまい納期に間に合いそうもありません。
【手こずるを使う時の注意点】
手こずるは順調に事を運ばないときに使う言葉です。
手こずることがある場合は、解決策を模索することが早く作業を済ませるコツになります。
また、相談も有効手段になります。
「手こずる」の類義語・言い換え2選
『手こずる』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 手を焼く
- 難渋する
類義語①手を焼くの意味
うまく処理できなくて困る。てこずる。もてあます。
引用:goo辞書
赤ん坊の世話に手を焼いています。
類義語②難渋するの意味
物事の処置や進行がむずかしくてすらすらいかないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
料理の進行が難渋して夕ご飯の時間に間に合わないかもしれません。
「手こずる」と「手間取る」の違いは?
「手こずる」と「手間取る」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「手こずる」には取り扱いかねて、もてあますという意味がありますが、
それに対し「手間取る」には、思ったより手間がかかるという意味があります。
手こずるは一つの事に対してもてあましてしまうのに対して、手間取るは手間がかかってしまって時間がかかるという意味で使われます。
「手こずる」は英語で『have trouble with』
手こずるは英語の『have trouble with』に言い換えることができます。
英語の『have trouble with』には
- ~に問題がある、~で苦労する、~にてこずる、~に手を焼く
- ~といざこざになる、~ともめる
- ~が故障する
という意味があります。
「手こずる」の対義語・反対語は『容易い』
手こずるの対義語は、『容易い』になります。
容易いには
- わけなくできるさま。容易である。やさしい。
- 軽率である。軽々しい。
などの意味があり、思い通りに入ったさまを表現する際に用いられます。
この図面はとても容易く作ってもらえました。
手こずるは思い通りに事が進まないさまを表しており、容易いはとても簡単に思うとおりに事が運ぶさまを表しています。
両者の違いは簡単かどうかではなく、思い通りに進むか否かとなっています。