「一過性」という言葉には、「病気の症状やある現象が一時的であること」という意味があります。
医療の場面で病気の症状を説明するときや、流行やブームなどの一時的なものを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「一過性」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
一過性の意味は『病気の症状やある現象が一時的であること』
一過性の読み方は「いっかせい」です。
語源は「一過(いっか)」という言葉と「性」という漢字で成り立っています。
「一過(いっか)」には「さっと通り過ぎること」という意味があり、「性(せい)」には「物事の性質・傾向を表す」という意味があります。
これらが組み合わさることで「一過性」は「病気の症状や現象が一時的であること」という意味になります。
『一過性』には
- 病気の症状などが一時的であること
- 現象が一時的ですぐ消えること
などの意味があります。
「一過性」の正しい使い方を例文で紹介!
「一過性」は、医療の場面で病気の症状を説明するときや、流行やブームなどの一時的なものを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
胃痛がするので病院を受診したら、一過性のものだからあまり心配はいらないと言われました。
例文②
新商品のスイーツがヒットしたが、一過性の流行りで終わらせないためには今後の対策が重要だ。
例文③
ネット上で楽曲が有名になっても、一過性の人気で終わってしまうことが多い。
【一過性を使う時の注意点】
「一過性のブーム」や「一過性の流行」といった表現で使うときは、「今はもうその人気はない(なくなる)」というニュアンスを含むので、ポジティブな意味ではあまり使われません。
「一過性」の類義語・言い換え3選
『一過性』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 束の間
- 短期
- 瞬間
類義語①束の間の意味
ごく短い時間。ちょっとの間。
引用:goo辞書
束の間の休憩でしたが、気力を回復させるには十分でした。
類義語②短期の意味
短い期間。短期間。
引用:goo辞書
今回の調査は短期的なものだったため、次はもっと時間をかけて研究を進めたい。
類義語③瞬間の意味
きわめて短い時間。またたく間。また、何かをした、そのとたん。
引用:goo辞書
瞬間的に胸に痛みが走りましたが、その後は何ともなく普段通りに過ごしていました
「一過性」と「一時的」の違いは?
「一過性」と「一時的」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「一過性」には病気の症状やある現象が一時的であることという意味がありますが、
それに対し「一時的」には、物事が長続きしないさまという意味があります。
どちらも「現象としてあらわれたものが、その状態を維持せず短い間になくなる」という意味がありますが、
「一過性」は病気の症状などに使われるのに対し、「一時的」は医学的な意味合いを持ちません。
「一過性」は英語で『transient』
一過性は英語の『transient』に言い換えることができます。
英語の『transient』には
- 一時の、瞬間的な
- つかの間の、はかない
という意味があります。
「一過性」の対義語・反対語は『持続(性)』
一過性の対義語は、『持続(性)』になります。
持続(性)には
- ある状態がそのまま続くこと
- 保ち続けること
- 継続
などの意味があり、物事の状態が変わらず続いていく様子を表すときに用いられます。
仕事を休めないときは、効き目が長く続く持続性かぜ薬を選びます。
「一過性」は病気の症状や現象が一時的であることを表す言葉ですが、「持続(性)」はある状態がそのまま続くことを表すときに使う言葉です。