「隠居」という言葉には、「官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「隠居」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「隠居」の意味は『官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと』
【隠居の意味】
1 官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと。また、その人。民法旧規定では、戸主が生前に家督を相続人に譲ることをいう。
2 俗世を離れて、山野に隠れ住むこと。また、その人。
引用:goo辞書
隠居の読み方は「いんきょ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「隠」と「居」のそれぞれの意味は、
- 「隠」は、隠れること
- 「居」は、暮らすこと
この2つが合わさってできた言葉です。
『隠居』には
- 官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと
- 俗世を離れて、山野に隠れ住むこと
などの意味があります。
「隠居」の正しい使い方を例文で紹介!
「隠居」は、仕事を退職し、ゆっくり静かに暮らすことや、世間から離れて山や田舎でひっそりと暮らすことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

父は今年会社を退職して、静かに隠居生活を楽しんでいる。
例文②

祖父は数年前から隠居して、趣味の園芸を楽しんでいます。
例文③

山奥での隠居生活に憧れがあります。
例文④

母は定年退職後、隠居して家族との時間を楽しんでいます。
例文⑤

休日も外に出るのが面倒で、まるで隠居しているようだ。
【隠居を使う時の注意点】
「隠居」は、現役を退いて静かな生活を送るというニュアンスで使われる言葉です。
社会的活動を終えて引退するという意味をネガティブに捉えられる場合もありますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「隠居」の類義語・言い換え4選
『隠居』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 引退
- 退任
- 定年
- リタイア
類義語①引退の意味
役職や地位から身を退くこと。スポーツなどで現役から退くこと。
引用:goo辞書

夫は、30年の勤務を終え、引退することになりました。
類義語②退任の意味
任務をやめること。役目をしりぞくこと。
引用:goo辞書

退任後は、新しい担当者に引き継ぎを行う予定です。
類義語③定年の意味
法規・規則により、一定の年齢到達を事由に退官・退職することになっている年齢。また、退官・退職すること。
引用:goo辞書

ようやく来年定年だ。ここまでよく頑張った。
類義語④リタイアの意味
引退すること。退職すること。
引用:goo辞書

リタイア後は、海外旅行を楽しみたい。

「隠居」と「隠棲」の違いは?
「隠居」と「隠棲」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「隠居」には官職・家業などから離れて、静かに暮らすことという意味がありますが、
それに対し「隠棲」には、俗世間を逃れて静かに住むことという意味があります。
「隠居」は、現役を引退して社会的に静かな生活を送ることを表しますが、「隠棲」は完全に社会から離れ、隠れるように静かな生活を送ることを意味します。
どちらかというと「隠居」よりも「隠棲」の方が孤立して静かに暮らしていることを指します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「隠居」は英語で『retirement』
隠居は英語の『retirement』に言い換えることができます。
英語の『retirement』には
- (定年などによる)退職
- 退役
- 引退
- 隠居
などという意味があります。
「隠居」の対義語・反対語は『現役』
隠居の対義語は、『現役』になります。
現役には
- 現在ある地位・職などに就いて活動していることや人
などの意味があり、現在ある地位・職などに就いて活動していることを表す際に用いられます。

彼はまだまだ現役で働いています。
官職・家業などから離れて、静かに暮らすことという意味の「隠居」に対して、現在ある地位・職などに就いて活動していることや人という意味の「現役」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
