「視察」という言葉には、「現地に行き、実際の様子を見極めること」という意味があります。
ビジネスシーンなどで実際に足を運んで現状を把握する際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「視察」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「視察」の意味は『現地に行き、実際の様子を見極めること』
視察の読み方は「しさつ」です。
語源は漢字の「視」と「察」から来ており、
- 「視」はみる・目で見る・じっと見る・みなす
- 「察」はあきらかにする・くわしく調べる・おしはかる
の2つが合わさってできた言葉です。
『視察』には
- 現地・現場に行き、その実際のようすを見極めること
などの意味があります。
「視察」の正しい使い方を例文で紹介!
「視察」は、現場に行き、実際の様子を見極める際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
先日の台風による被害状況を視察するために、総理大臣が被災地を訪問した。
例文②
最先端の技術を取り入れた御社の工場を、視察させていただくことは可能でしょうか。
例文③
観光業界の現状について調べるため、複数のホテルや旅館を視察する。
例文④
彼らは今回の海外訪問の目的が視察であることを忘れ、観光を楽しんでいた。
例文⑤
欧州各国の環境問題に対する取り組みを学ぶため、まずはドイツに視察団を派遣する。
【視察を使う時の注意点】
視察は「見極めて判定する」ことを意味し、判定する立場である見る側を、見られる側よりも上に置いた言葉です。
そのため、見られる側の方が立場が上の場合には使用できません。
例えば「小学生が国会議事堂を視察する」という使い方はしません。
「視察」の類義語・言い換え5選
『視察』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 査察
- 偵察
- 巡察
- 検証
- 見学
類義語①査察の意味
その場所に行って、状況を見きわめること。
引用:goo辞書
国税庁の査察官が、企業などへ一斉調査を行った。
類義語②偵察の意味
ひそかに敵の動静などを探ること。
引用:weblio辞書
自国の安全性が脅かされないように、敵国の情勢を常に偵察している。
類義語③巡察の意味
見回って事情を調査すること。
引用:weblio辞書
警備員が定期的に現場の巡察を行い、現場ルールが遵守されているかを確認する。
類義語④検証の意味
事実や真実を証明すること。
引用:goo辞書
先日発生したひき逃げ事件について、警察が事件の被害者の立ち合いのもと現場検証を行った。
類義語⑤見学の意味
出かけて行って何かを見ること。
引用:goo辞書
史跡見学ツアーに参加し、その地の歴史や文化への認識を深める。
「視察」と「見学」の違いは?
「視察」と「見学」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「視察」には現地・現場に行き、その実際のようすを見極めることという意味がありますが、
それに対し「見学」には、出かけて行って何かを見ることという意味があります。
どちらも実際にどこかへ赴き、何かを見るという点では同じです。
しかし、「視察」は実際の様子を見極めて判定するのが目的ですが、「見学」は学んだり知識をつけるのが目的である点に違いがあります。
「視察」は英語で『inspection』
視察は英語の『inspection』に言い換えることができます。
英語の『inspection』には
- 精査、点検、検査、閲覧
- 視察、監察、検閲、査閲
という意味があります。
「視察」の対義語・反対語はない!
視察の対義語は、ありません。