「些か」という言葉には、「ほんの少し」という意味があります。
少しだけということを表す際に使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「些か」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
些かの意味は『ほんの少し』
【些かの意味】
[形動][文][ナリ]
1 数量・程度の少ないさま。ほんの少し。わずか。
2 かりそめであるさま。ついちょっと。
3 (多く「いささかに」の形で、打消しに呼応して用いる)少しも。
[副]
1 少し。わずかばかり。
2 (あとに打消しの語を伴って)少しも。ちっとも。→いささかも
引用:goo辞書
些かの読み方は「いささか」です。
「些」は「此」と「二」からできている形声文字です。
- 「此」の「止」は「立ち止まる足」
- 「ヒ」は「年老いた女性」
を表しています。
下部の「二」が2本の線を意味していて、ここから「2つしかない」という意味をもち「少し」「わずか」という現在の意味を表すようになりました。
『些か』には
- 数量・程度の少ないさま
- 少し
- わずか
などの意味があります。
「些か」の正しい使い方を例文で紹介!
「些か」は、数量・程度の少ないさまを表す場面で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
今回の模試の問題は、些か難しかった。
例文②
小学生の頃から野球をしているので、体力には些か自信があります。
例文③
このニュースには些か驚きました。
例文④
姪っ子は些か生意気だ。
例文⑤
半年ぶりにあった父は、些か太ったように見える。
【些かを使う時の注意点】
「少しばかり」を意味する「些か」ですが、建前としての少しを表す謙遜の意味合いで使われることもあります。
前後の文脈や使われる場面などから意味を汲み取るようにしましょう。
「些か」の類義語・言い換え4選
『些か』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 少し
- 少々
- わずか
- 稍
類義語①少しの意味
数量・程度などがわずかであるさま。ちょっと。
引用:goo辞書
このクッキーを全員に同じ数ずつ分けるには少し足りない。
類義語②少々の意味
分量・程度が少しであるさま。少しばかり。いくらか。ちょっと。
引用:goo辞書
担当者に代わりますので、少々お待ちください。
類義語③わずかの意味
数量・程度・価値・時間などがほんのすこしであるさま。副詞的にも用いる。
引用:goo辞書
彼女はスマホに保護シートを張る際、わずかなズレも許さない。
類義語④稍の意味
いくらかその傾向を帯びているさま。少しばかり。
引用:goo辞書
今年の気温は稍高めだ。
「些か」と「聊か(いささか)」の違いは?
「些か」と「聊か」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「些か」にはほんの少しという意味がありますが、
それに対し「聊か」には、ほんの少しという意味があります。
漢字の表記が違いますが、読み方も意味も同じ言葉です。
「些か」も「聊か」も常用漢字表に載っていない言葉ですので、公的な文章ではひらがなで「いささか」と表記することが好ましいです。
「些か」は英語で『a trifle』
些かは英語の『a trifle』に言い換えることができます。
英語の『a trifle』には
- わずかに
という意味があります。
「些か」の対義語・反対語は『甚だ』
些かの対義語は、『甚だ』になります。
甚だには
- 普通の程度をはるかに超えているさま
- たいへん
- 非常に
などの意味があり、数量や程度が普通よりも超えていることを表す際に用いられます。
司会者の指名の仕方がおかしいのではないかと、甚だ疑問に思う記者会見だった。
数量・程度の少ないさまを表す「些か」に対して、普通の程度をはるかに超えることを表す「甚だ」は反対の意味の言葉と言えます。