「器用貧乏」という言葉には、「器用なために、どれも中途半端で大成しないこと」という意味があります。
人物の性格や特徴を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「器用貧乏」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
器用貧乏の意味は『器用なために、どれも中途半端で大成しないこと』
【器用貧乏の意味】
なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。また、器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分ではいっこうに大成しないこと。
引用:goo辞書
器用貧乏の読み方は「きようびんぼう」です。
物事を要領よくこなすという意味の「器用」と、不利益をこうむるという意味での「貧乏」が組み合わさり、器用に何でもこなすが故に、中途半端になって大成しないという意味で使われます。
『器用貧乏』には
- なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと
- 器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分ではいっこうに大成しないこと
などの意味があります。
「器用貧乏」の正しい使い方を例文で紹介!
「器用貧乏」は、人物の性格や特徴をネガティブに表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
小さい頃から色んな習い事をしてきたので趣味はたくさんあるが、器用貧乏な人間になってしまった。
例文②
器用貧乏な同僚は色々と仕事を任されているが、出世はできないようだ。
例文③
飽きっぽい性格で何でも中途半端になってしまうので、すっかり器用貧乏です。
例文④
ゼネラリストと褒めてもらうこともありますが、自分ではただの器用貧乏だと思っています。
「器用貧乏」の類義語・言い換え2選
『器用貧乏』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 多芸は無芸
- 小器用
類義語①多芸は無芸の意味
多芸の者は、かえって一つの芸に精通しにくく、すぐれた芸をもっていないということ。
引用:goo辞書
弟は色々な資格を持っているが、結局どれも活かせておらず、多芸は無芸とはこのことだと思った。
類義語②小器用の意味
- なんでも一応はじょうずにできるさま。小手先がきくさま。
- 少しばかり目先がきくさま。
引用:goo辞書
彼は小器用な文章を書くことができるが、核心を突いたレポートに仕上げるのは苦労しているようだ。
「器用貧乏」と「オールラウンダー」の違いは?
「器用貧乏」と「オールラウンダー」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「器用貧乏」には器用なためにどれも中途半端で大成しないことという意味がありますが、
それに対し「オールラウンダー」には、多領域に有能な人という意味があります。
どちらも色々なことを要領よくこなすという意味合いがありますが、「器用貧乏」はネガティブな面を表す言葉であるのに対し、「オールラウンダー」は能力の高さを表すポジティブな意味で使われます。
多様なことができる人物をネガティブに表現するときは「器用貧乏」を使い、褒めるときは「オールラウンダー」を使うのが適しています。
「器用貧乏」は英語で『jack of all trades』
器用貧乏は英語の『jack of all trades』に言い換えることができます。
英語の『jack of all trades』には
- よろず屋
- 何でも屋
という意味があります。
「器用貧乏」の対義語・反対語は『八面六臂』
器用貧乏の対義語は、『八面六臂』になります。
八面六臂には
- 多方面で、めざましい活躍をすること
- 一人で何人分もの活躍をすること
などの意味があり、多様な場面で活躍する人物を褒めるときに用いられます。
有能な新人と聞いていたが、まさに八面六臂の働きぶりだった。
「器用貧乏」は、器用なために大成しないことを表しますが、「八面六臂」は多方面で活躍することを表します。