「事象」という言葉には、「一定の条件下で起こる物事」という意味があります。
ビジネスや学術論文などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「事象」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「事象」の意味は『一定の条件下で起こる物事』
【事象の意味】
1 ある事情のもとで、表面に現れた事柄。現実の出来事。現象。「自然界の―」
2 数学で、試行の結果起こる事柄。例えば、さいころを投げるという試行の結果からは一から六の目のどれかが出るという事象が起こる。
引用:goo辞書
事象の読み方は「じしょう」です。
語源は漢字の「事」と「象」から来ており、
- 「事」はことがら、できごと
- 「象」は目に見える形
の2つが合わさってできた言葉です。
『事象』には
- 色々の物事や現象
- 数学で、試行の結果起こる事柄
などの意味があります。
「事象」の正しい使い方を例文で紹介!
「事象」は、一定の条件下で起こる物事を指す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
過去に同様の事象が発生していないか調査します。
例文②
サイコロを振って偶数が出るということを事象とすると、奇数が出るということは余事象です。
例文③
試行の結果起こる事柄を事象と言い、確率の計算で使われる用語です。
例文④
自然事象に触れさせることで、子供の好奇心と探究心を育成します。
例文⑤
エラーが起きた事象を分析して再発防止に努めます。
【事象を使う時の注意点】
事象とは、ある一定の条件や環境下で起こるものごとを言い、ビジネスや専門的な研究の場面などで使われます。
「事象」の類義語・言い換え6選
『事象』の類義語や言い換えの言葉は6つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 出来事
- 事柄
- イベント
- 事項
- 一件
- 問題
類義語①出来事の意味
社会や身のまわりに起こる事柄。また、ふいに起こった事件・事故。「一瞬の―」
引用:goo辞書
時代の流れが変わるような出来事が起こった。
類義語②事柄の意味
1 物事の内容・ようす。また、物事そのもの。「調べた—を発表する」「新企画に関する極秘の—」「重大な—」
2 《「こつがら(骨柄)」の音変化という》人物のありさま。体格。品格。
「つらだましひ、—、いづれも劣らず」〈平家・九〉
引用:weblio辞書
昨日は驚くべき事柄がありました。
類義語③イベントの意味
《「エベント」とも》
1 出来事。催し物。行事。
2 競技種目。試合。「メーン—」
3 キーボードやマウスからの入力や、実行中のプログラムからの処理要求のこと。これをきっかけにしてプログラムを動作させることをイベントドリブンという。
引用:weblio辞書
明日のパーティーのメインイベントは何かな。
類義語④事項の意味
ある物事の中の一つ一つの事柄。「―索引」「特記―」
引用:goo辞書
注意事項をよく読んでから使用しましょう。
類義語⑤一件の意味
1 一つの事柄。ある一つの事件。「一件落着」
2物事を遠回しにいう語。あのこと。例のこと。「きのうの一件には触れないでおく」
引用:コトバンク
あの一件依頼、疑心暗鬼になっている。
類義語⑥問題の意味
1 解答を求める問い。試験などの問い。「数学の—を解く」「入試—」
2 批判・論争・研究などの対象となる事柄。解決すべき事柄。課題。「そんな提案は—にならない」「経済—」「食糧—」
3 困った事柄。厄介な事件。「新たな—が起きる」
4 世間が関心をよせているもの。話題。「—の議員」
引用:weblio辞書
問題をなかなか解決できず会議が長引いた。
「事象」と「現象」の違いは?
「事象」と「現象」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「事象」には一定の条件下で起こる物事という意味がありますが、
それに対し「現象」には、知覚することのできるすべての物事という意味があります。
この二つの言葉は混同されがちですが、漢字の意味を見ると違いが分かります。
事象の「事」という字はことがら・人の行為という意味があり、現象の「現」には実際にある・見えるものという意味があります。
事象は人為的な条件や環境のもとで起こる出来事であるのに対し、現象は人為的・自然発生を問わず起きること全てを指します。
言葉の意味を見てもわかるように事象は使い方が限定的であるのに対し、現象という言葉の方が日常生活でよく使われる言葉です。
「事象」は英語で『phenomenon』
事象は英語の『phenomenon』に言い換えることができます。
英語の『phenomenon』には
- 驚くべき物事
- 徴候
という意味があります。
「事象」の対義語・反対語は『想像』
事象の対義語は、『想像』になります。
想像の意味
[名](スル)実際には経験していない事柄などを推し量ること。また、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くこと。「―をたくましくする」「―上の動物」「縄文人の生活を―する」「―したとおりの結果になる」
引用:goo辞書
想像には
- 実際に知覚に与えられていない物事を、心の中に思い浮かべること
- 現実からかけ離れた空想
などの意味があり、現実には存在しない事柄を心に思い浮かべるときに用いられます。
事象とは一定の条件下で実際に起こる物事であり、想像は実際に起こっていないが心の中で思い描く物事という意味があります。