「月並み」という言葉には、「新鮮みがなくありふれていて平凡なこと」という意味があります。
日常会話やビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「月並み」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
月並みの意味は『新鮮みがなくありふれていて平凡なこと』
月並みの読み方は「つきなみ」です。
語源は、明治時代の俳人で歌人であった正岡子規が、旧派の伝統的な排風を「月並俳句」と批判したことから来ており、
『月並み』には
- 毎月きまって行われること
- 月に一度ずつあること
- 新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと
などの意味があります。
「月並み」の正しい使い方を例文で紹介!
「月並み」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①日常会話で使う時
日常会話では結論などを述べる前に、謙遜する前置きとして表現する時に使われます。
【例文①】
月並みの感想で申し訳ありませんが、とても美しいな景色でした。
【例文②】
彼は月並みなことしか言わないけれど、正直で信用できる人です。
例文②ビジネスシーンで使う時
ビジネスシーンでは、ややネガティブなニュアンスをこめて「ありふれた」「平凡な」という意味あいを表す時に使われます。
【例文①】
月並みなアイディアでは、これからの売り上げを大きく伸ばすことはできないと思います。
【例文②】
いつも月並みな意見しか出てこないので、なかなか決めることができません。
例文③その他シーンで使う時
様々なシーンで「平凡なものですが」という謙遜していることを表現する時に使われます。
【例文①】
月並みですが、末永くお幸せに!
【例文②】
月並みですが、お土産です。どうぞお召し上がりください。
【月並みを使う時の注意点】
「月並み」は元々月に1度、毎月きまってという意味の言葉でしたが、明治時代から現代にかけては「ありふれた平凡な様子」などを意味する表現として使われています。
また、「他と比べて平凡」「特別なところがない」「たいしたことではない」という意味から、ネガティブなイメージを与える場合もありますので使う際は注意が必要です。
「月並み」の類義語・言い換え5選
『月並み』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 人並み
- 凡庸
- ありふれた
- ありきたり
- 普通
類義語①人並みの意味
世間一般の人と同じ程度であること。また、そのさま。世間並み。
引用:goo辞書
私の理想のタイプは、容姿は人並みで性格が良くて一緒にいて面白い人です。
類義語②凡庸の意味
周りから見たら凡庸な人だけど、私にとって必要な人です。
類義語③ありふれたの意味
どこにでもありそうな。
引用:weblio辞書
ありふれた日常が一番幸せなんだと思います。
類義語④ありきたりの意味
ありきたりのストーリーでしたが、感動しました。
類義語⑤普通の意味
特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。また、そのさま。
引用:goo辞書
家で食べる母の作った普通のごはんが一番好きです。
「月並み」と「人並み」の違いは?
「月並み」と「人並み」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「月並み」には新鮮みがなくありふれていて平凡なことという意味がありますが、
それに対し「人並み」には、世間一般の人と同じ程度であることという意味があります。
どちらも、「一般的」「平凡」という共通の意味がありますが、「月並み」には一般的であるから平凡・新鮮味がないといったネガティブな意味合いが含まれています。
一方で、「人並み」は周囲と変わらないという意味でネガティブな意味合いは含まれていません。
「月並み」は英語で『just another』
月並みは英語の『just another』に言い換えることができます。
英語の『just another』には
- 単なるもう一つの・ありきたりの・ありふれた
- ただの・よくある・月並みな
という意味があります。
「月並み」の対義語・反対語は『風変わり』
月並みの対義語は、『風変わり』になります。
風変わりには
- ようすや性質・行動などが普通と違っていること・様子
などの意味があり、周囲と比べてようすや性質・行動などが普通と違っていることを表すときに用いられます。
隣に住む若い夫婦は恰好が風変わりでしたが、話してみたらいい人で安心しました。
「月並み」は新鮮みがなくありふれていて平凡なことという意味で、「風変り」は物事の様子や行動、特徴が他とは違って普通でないという意味です。