「充当」という言葉には、「人員や金品をある目的や用途にあてること」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「充当」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「充当」の意味は『人員や金品をある目的や用途にあてること』
充当の読み方は「じゅうとう」です。
語源は足りないところに詰めこむという意味の「充」と割りあてるという意味の「当」から来ており、
- 「充」は足りないところに詰めこむ
- 「当」は割りあてる
の2つが合わさってできた言葉です。
『充当』には
- 人員や金品を、ある目的や用途にあてること
- 債務者が同一の債権者に対して数個の債務を負担している場合に、債務者の弁済がその全部の債務を消滅させるに十分でないとき、どの債務の弁済にあてるかを定めること
などの意味があります。
「充当」の正しい使い方を例文で紹介!
「充当」は、人員や金品を何かに割りあてるときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
宝くじの収益金は地域によって様々な事業に充当する。
例文②
今回の収益は福祉施設の建設に充当する資金になる予定だ。
例文③
そのプロジェクトには今年度予算の一部を充当します。
例文④
多くの日本映画が製作費の一部に文化芸術振興費補助金を充当している。
例文⑤
もし欠員が出たらその日だけ他部署の人を充当する予定だ。
「充当」の類義語・言い換え4選
『充当』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- あてがう
- 適用
- 補填
- 振り分ける
類義語①あてがうの意味
その大御所俳優は愛人にマンションをあてがっていたそうだ。
類義語②適用の意味
お子さんの体調不良による欠勤には「子の看護休暇」が適用される。
類義語③補填の意味
不足・欠損部分を補って埋めること。塡補。
引用:goo辞書
先日入院した際の医療費は入っていた保険で補填された。
類義語④振り分けるの意味
1.全体を二つに分ける。両分する。
2.分けて与える。配分する。
引用:コトバンク
仕事の振り分けについては配った資料を確認してください。
「充当」と「流用」の違いは?
「充当」と「流用」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「充当」には人員や金品をある目的や用途にあてることという意味がありますが、
それに対し「流用」には、定まっている使途をはずれて別のことに用いることという意味があります。
「充当」はある目的に対して人員や金品をあてること、
「流用」は目的や使い方が決まっているにも関わらず別のことに用いることです。
「流用」は最悪の場合、犯罪になることもあります。
「充当」は英語で『appropriation』
充当は英語の『appropriation』に言い換えることができます。
英語の『appropriation』には
- 充当
- 割り当て
という意味があります。
「充当」の対義語・反対語は『回収』
充当の対義語は、『回収』になります。
回収には
- いったん大勢の人に配られたり拡散したりしたものをまた集めること
- あちこちから集めてもとへ返すこと
などの意味があり、一度誰かに渡ったものを再び集めるという意味で用いられます。
人員や金品などをあてるという意味の「充当」の対義語には、
一度あてたものをまた集めたり元へ返すことを表す「回収」が当てはまると考えます。