「如才」という言葉には、「気を使わないために生じた手落ちがあること」という意味があります。
「如才ない」という表現でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「如才」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「如才」の意味は『気を使わないために生じた手落ちがあること』
如才の読み方は「じょさい」です。
明確な語源や由来はありませんが、「如」と「才」のそれぞれの意味は、
- 「如」は、適切であること
- 「才」は、才能や器量
この2つが合わさってできた言葉です。
『如才』には
- 気を使わないために生じた手落ちがあること
- 手抜かり
などの意味があります。
「如才」の正しい使い方を例文で紹介!
「如才」は、気を使わないために生じた手落ちがあることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は誰に対しても如才ない態度で接する。
例文②

彼女は若いのに、如才なく立ち回ることができて、感心する。
例文③

如才ない会話ができる彼は、営業に向いている。
例文④

もっと如才なく立ち回りたいものだ。
例文⑤

如才なく振る舞う彼女は、どこかあざとく見える。
【如才を使う時の注意点】
「如才」は、気が利いていて、そつがない様子や、相手に対して失礼のないように、うまく立ち回れることを表す「如才ない」という形で使われるのが一般的です。
「如才ない」は、多くはポジティブな意味合いで使われますので、覚えておきましょう。
「如才」の類義語・言い換え3選
『如才』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 手落ち
- 粗略
- 抜け目
類義語①手落ちの意味
手続きや仕事の上で不足や欠点があること。また、そのような箇所。てぬかり。
引用:Weblio辞書

個人情報の取り扱いで、手落ちがあったようだ。
類義語②粗略の意味
物事の扱い方などが丁寧でないこと。また、そのさま。ぞんざい。
引用:Weblio辞書

どんな書類でも粗略な扱いをするのはやめよう。
類義語③抜け目の意味
抜けたところ。欠けているところ。また、手抜かり。
引用:Weblio辞書

この案件は抜け目なく用意する必要がある。

「如才ない」と「抜かりない」の違いは?
「如才ない」と「抜かりない」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「如才ない」には気が利いていて、そつがない様という意味がありますが、
それに対し「抜かりない」には、物事の準備や行動において、手落ちや不足、忘れ物などがなく、完璧な状態であることという意味があります。
「如才ない」は、他の誰かに対しての配慮や気配り、そつのなさを表しますが、「抜かりない」は、準備や手順においてミスや抜けがないことを表します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「如才」は英語で『tact』
如才は英語の『tact』に言い換えることができます。
英語の『tact』には
- 如才なさ
- 機転
という意味があります。
「如才」の対義語・反対語は『配慮』
如才の対義語は、『配慮』になります。
配慮には
- 事情をふまえて、気遣いのこもった取り計らいをすること
などの意味があり、他の人に対して心遣いをすることを表す際に用いられます。

この度は、ご配慮いただきありがとうございました。
気を使わないために生じた手落ちがあることという意味の「如才」に対して、事情をふまえて、気遣いのこもった取り計らいをするという意味の「配慮」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
