「家内安全」という言葉には、「家族に事故や病気がないこと」という意味があります。
神社やお寺でご祈祷してもらう際等によく使われる言葉ですが、
正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「家内安全」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
『家内安全』の意味は『家族に事故や病気がないこと』

【『家内安全』の意味】
家族に事故や病気がないこと。家族一同が息災であること。「—を祈る」
引用:Weblio辞書
”家内”は「家の中」「家族」「妻」、”安全”は「危険がない」「平穏無事」「身の危険を感じたり物が盗まれるなどの心配がない」となり、家族全員に事故や病気などの不幸がない状態を「家内安全」と言います。
一般的には神社などで初詣として「家内安全の祈願」をするのが多く、その際には「無病息災」や「家族円満」も一緒にお願いします。またお守りとしても「家内安全」は有名で、他にも「交通安全」「健康祈願」「長寿祈願」「恋愛成就」「安産祈願」といった種類があります。
実際の使用例としては、「家内安全を祈る」「家内安全をお願いする」といった形が一般的です。
因みに、”家内”は妻という意味もあるので、妻の健康などを祈願するものと誤って理解している人も多いですが、それは間違いです。
引用:「四字熟語のススメ」
『家内』とは、「家の中」や「家の中にいる人」を意味する言葉です。つまり、「家庭」や「家族」のことですね。また、「一家」のという意味でも使われるため、「親族」まで含まれた意味で使われる場合もあります。続く『安全』は、「危険や危害がないこと」「心配のないこと」という意味です。
ですので、『家内安全』は「家族に危険や心配がないこと」という意味になりますね。そして、これが転じて「家族に事故や病気などの心配事がないこと」という意味で使われるようになりました。『家内』は「妻」を表す言葉としても使われていますが、「妻」だけでなく「家族全員」のことを表す言葉でもあったんですね。
引用: 四字熟語の勉強.com
『家内安全』の読み方は「かないあんぜん」です。
語源は、「家族に危険や心配がないこと」が転じて、
現在では「家族に事故や病気などの心配事がないこと」という意味で使われています。
『家内安全』には
- 家族に事故や病気がないこと
- 家族一同が息災であること
などの意味があります。
『家内安全』の正しい使い方を例文で紹介!

『家内安全』は、神社やお寺でご祈祷してもらう際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、
失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

今年の七夕の願い事は家内安全にしよう。
例文②

初詣で家内安全守りを買ってきた。
例文③

家内安全で1年過ごせたことが何よりの幸せです。
『家内安全』の類義語・言い換え4選

『家内安全』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 平穏無事
- 安穏無事
- 平安無事
- 円満・家庭円満
類義語① 平穏無事の意味

平穏無事な生活か、刺激的な生活ならどっちがいい?
類義語② 安穏無事の意味

安穏無事な生活を送れることに感謝しなきゃいけないのかもね。
類義語③ 平安無事の意味
類義語④ 円満・家庭円満の意味
【円満】
物事の調和がとれていて穏やかなこと
引用:例文買取センター
物事のようすや人柄などが、調和がとれていて穏やかなこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書 ( 『家内安全』の類義語として考えられる部分のみ抜粋 )
【家庭円満】
「家庭円満」とは、「病気にかからず健康であること」という意味です。つまり、「家族に事故や病気がないこと」は「生活が穏やかであること」ともいえるので、「家内安全」と「家庭円満」は同じような意味であると言えます。
引用:四字熟語の勉強.com

取引先との関係性は円満です。
『家内安全』と「無病息災」「心願成就」の違いは?

『家内安全』と「無病息災」「心願成就」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
『家内安全』には家族に病気や災難がないことという意味がありますが、
それに対し「無病息災」には個人が病気をせず健康であることという意味が、
「心願成就」には神や仏に心から祈れば、願いは叶えられるという意味がそれぞれあります。
【無病息災の意味】
家内安全と無病息災の使い方の違い
一つ目の家内安全を使った分かりやすい例としては、「初詣で家内安全を祈ります」「神社で家内安全と無病息災を祈願する」「絵馬に家内安全と書きました」「五穀豊穣と家内安全を願う伝統的な神事です」などがあります。
二つ目の無病息災を使った分かりやすい例としては、「日々、無病息災であることに感謝します」「無病息災の縁起物のお菓子です」「無病息災を願うお祭りです」「参拝者が無病息災を願って祈祷を受けた」などがあります。
家内安全と無病息災の使い分け方
家内安全や無病息災という言葉は、どちらも「病気がなく健康であること」を表しており、お守りやお詣りの言葉などに用いられる四字熟語です。二つの言葉はとても似ていますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
家内安全とは、家族が病気をしないで元気なことや、事故がなく安泰であることを意味します。家族全員が健康であること、災難がなく穏やかに過ごすことを願う時に用いられる言葉です。
一方、無病息災とは、病気が無く健康であることを意味します。健康にフォーカスした言葉であり、災難を避けるなどの意味合いはありません。また、家族ではなく一個人の健康を願う時に用いられる言葉です。
家内安全と無病息災を比べると、対象が家族であり、その健康だけでなく災いを避けることも表す家内安全の方が、幅広い意味を持つ言葉だと言えるでしょう。
引用:例文買取センター
【心願成就の意味】
心願成就の意味
神や仏に心から祈れば、願いはかなえられるという意味です。
心願には神や仏に願い事をする、心からの願いという意味があり、成就には物事を成し遂げること、願いがかなうことという意味があります。
この言葉には、神や仏にどのようなことを願うのかという意味は含まれていません。
仕事で成功すること、震災から復興すること、子どもが無事に成長することなど、人それぞれ、さまざまな願いがあります。
しかし、仕事に関係することは「商売繁盛」、病気からの回復は「傷病平癒」、恋愛に関係することは「恋愛成就」といったりします。
神社仏閣でどのような祈願を書けばいいのか迷ったとき、この言葉を使うことができます。
「家内安全」と「心願成就」の違い
どちらも神社仏閣で使われることが多い言葉です。
前者は、家族に病気やケガなどがないようにという意味です。
後者は神仏に祈っていれば願いはかなえられるという意味で、
どのような願いなのかは意味に含まれていません。
引用:意味解説辞典
『家内安全』と「無病息災」「心願成就」の違い
『家内安全』と「無病息災」… 安全を願う対象が違う
『家内安全』と「心願成就」… 何を願うか、願い事の種類が違う
『家内安全』は英語で【pray for the wellーbeing of one’s family】

『家内安全』は英語の【pray for the well‐being of one's family】
【safety of one's family】等と言い換えることができます。
【pray for the wellーbeing of one’s family】の意味
家内安全を英語にすると「well-being of one’s family」「peace and prosperity in the household」となり、例えば上記の「家内安全を祈る」を英語にすると「pray for the well‐being of one’s family」となります。
引用:例文買取センター
【Safety of one's family】の意味
「safety」は「安全」、「one’s」は「~の」、「family」は「家族」という意味になるため、「家族の安全=家内安全」を表します。
引用:マイナビニュース
英語の【pray for the wellーbeing of one’s family】には
- 家内安全を祈る
【Safety of one's family】には
- 家族の安全、家内安全
という意味があります。
『家内安全』の対義語・反対語は「多事多難」「多事多端」

『家内安全』の対義語は、「多事多難」「多事多端」になります。
「多事多難」「多事多端」には
- 事件や困難が多いさま
- 仕事が多くて、非常に忙しいこと
- 世の中が騒がしくて穏やかでないこと
などの意味があります。

連休前とはいえ、今日は一段と多事多端だな。
『家内安全』と「多事多難」「多事多端」の違い
『家内安全』は家族に危険や心配がなく、穏やかで落ち着いている様子を表しますが、
「多事多難」事件や困難が多いさま、
「多事多端」は仕事が多く忙しい、事件が続き世の中が騒がしい、落ち着かない様子
をそれぞれ表している為、対義であると考えられます。