「観念」という言葉には、「物事に対してもつ考え」という意味があります。
ドラマなどの「観念しろ!」というセリフなどでよく聞く言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「観念」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「観念」の意味は『物事に対してもつ考え』
【観念の意味】
1 物事に対してもつ考え。「時間の―がない」「固定―」
2 あきらめて、状況を受け入れること。覚悟すること。「もうこれまでと―する」
3 哲学で、人間が意識の対象についてもつ、主観的な像。表象。心理学的には、具体的なものがなくても、それについて心に残る印象。
4 仏語。真理や仏・浄土などに心を集中して観察し、思念すること。観想。
引用:goo辞書
観念の読み方は「かんねん」です。
語源は仏教用語です。
仏教において観念は瞑想法で、精神集中することで仏や浄土、仏教の真理を心に思い描くというものです。
- 「観」は観察
- 「念」は念想
の2つが合わさってできた言葉です。
『観念』には
- 物事に対してもつ考え
- あきらめて、状況を受け入れること
- 心理学的には具体的なものがなくても、それについて心に残る印象
などの意味があります。
「観念」の正しい使い方を例文で紹介!
「観念」は、物事に対してもつ考えや諦めて状況を受け入れることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
時間の観念がないので、彼女は普通に遅刻してくる。
例文②
子どもを産んだら一人前、という固定観念を捨てた。
例文③
長い間強迫観念に悩まされてきたが、治療を続けたことで良くなってきた。
例文④
彼の意見は、観念的で分かりにくい。
例文⑤
妻に浮気の証拠をそろえて突きつけたら、観念した様子で立ち尽くしていた。
【観念を使う時の注意点】
ドラマのセリフなどでは「あきらめて状況を受け入れる」という意味合いで使われることが多いですが、「物事に対する考え」という意味合いもありますので覚えておきましょう。
「観念」の類義語・言い換え3選
『観念』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 概念
- 理念
- 諦める
類義語①概念の意味
物事の概括的な意味内容。「―をつかむ」「文学という―から外れる」
引用:goo辞書
あの店のラーメンは、今までのラーメンの概念を覆すものだった。
類義語②理念の意味
ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え。
引用:goo辞書
企業理念をしっかりと理解して面接に臨む。
類義語③諦めるの意味
もう希望や見込みがないと思ってやめる。断念する。
引用:goo辞書
犯人は諦めた様子で逃げるのをやめた。
「観念」と「概念」の違いは?
「観念」と「概念」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「観念」には物事に対してもつ考えという意味がありますが、
それに対し「概念」には、物事の概括的な意味内容という意味があります。
「観念」は、頭の中にある物事に対しての考えという意味ですが、「概念」は物事の大まかな意味を表します。
同じような言葉ですが、ニュアンスが異なりますので、使い分けていきましょう。
「観念」は英語で『notion』
観念は英語の『notion』に言い換えることができます。
英語の『notion』には
- 観念
- 考え
などの意味があります。
「観念」の対義語・反対語は『実態』
観念の対義語は、『実態』になります。
実態には
- 実際の状況
- 本当のありさま
- 実情
などの意味があり、本当のありさまを表す際に用いられます。
先日の実態調査の結果がこちらになります。
頭の中で考えている「観念」に対して実際の状況を表す「実態」は反対の意味と言えます。