「懸隔」という言葉には、「二つの物事がかけ離れていること」という意味があります。
二つの物事がある場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「懸隔」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「懸隔」の意味は『二つの物事がかけ離れていること』
懸隔の読み方は「けんかく」です。
語源はかけはなれるという意味の「懸」と遠ざけるという意味の「隔」から来ており、
- 「懸」はかけはなれる
- 「隔」は遠ざける
の2つが合わさってできた言葉です。
『懸隔』には
- 二つの物事がかけ離れていること
- 非常に差があること
- 程度のはなはだしいさま
などの意味があります。
「懸隔」の正しい使い方を例文で紹介!
「懸隔」は、二つの物事の間にかなりの差がある時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私と兄の学力には懸隔がある。
例文②
昨今、貧富の懸隔がはなはだしい。
例文③
彼らの人間性には懸隔がある。
例文④
新入社員間で仕事に対する意識の懸隔がある。
例文⑤
我が社とB社との間にはどれほどの懸隔があるのだろうか。
【懸隔を使う時の注意点】
「懸隔がある」という使われ方が多く「懸隔がない」という使い方はあまりしないようです。
「懸隔」の類義語・言い換え4選
『懸隔』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 差
- 違い
- 開き
- 距離
類義語①差の意味
- 物事と物事の間の性質・状態・程度などの違い。へだたり。
- ある数や式から他の数や式を引いて得られた結果の数や式。
引用:goo辞書
彼と彼女の営業成績にはかなりの差がある。
類義語②違いの意味
1.違うこと。異なること。
2.誤ること。まちがい。
引用:コトバンク
日焼け止めを塗ると塗らないとでは将来的に違いが出る。
類義語③開きの意味
二つ以上の物事の間の差。
引用:Weblio辞書
首位と最下位のランナーには1周半の開きがある。
類義語④距離の意味
1.二つの場所や物事の間の隔たり。
2.人との関係で、相手に対する気持ちの上での隔たり。
3.数学で、二点を結ぶ線分の長さ。また、二つの図形上の点を結ぶ線分のうちの最短のものの長さ。
引用:コトバンク
実家にはすぐに帰れる距離ではない。
「懸隔」と「隔たり」の違いは?
「懸隔」と「隔たり」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「懸隔」には二つの物事がかけ離れていることという意味がありますが、
それに対し「隔たり」には、へだたることという意味があります。
ほぼ同じ意味ですが「懸隔」は具体性のない物事に対しても使用することができます。
「懸隔」は英語で『difference』
懸隔は英語の『difference』に言い換えることができます。
differenceの意味
- 異なって[相違して]いること
- 異なるもの、似ていないもの
- 相違の程度[度合い・範囲]、差、開き
- 相違点、異なる部分、特異点
- 〔大きな〕変化、影響
- 不一致、論争、不和、紛争
- 不一致の原因、紛争の種
- 〔選択の際の〕区別、差別
- 《数学》〔二つの数量の〕差、階差
- 《数学》〔集合の〕差
- 《論理学》差異
引用:英辞郎
英語の『difference』には
- 異なっていること
- 差
という意味があります。
「懸隔」の対義語・反対語は『伯仲』
懸隔の対義語は、『伯仲』になります。
伯仲には
- 力がつりあっていて優劣のつけがたいこと
などの意味があり、五分五分のニュアンスで用いられます。
「懸隔」は差があることを表し「伯仲」は差がないことを表す言葉です。