「見識」という言葉には、「物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「見識」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「見識」の意味は『物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力』

見識の読み方は「けんしき」です。
明確な語源や由来はありませんが、「見」と「識」のそれぞれの意味は、
- 「見」は、ものの見方
- 「識」は、知ること
この2つが合わさってできた言葉です。
『見識』には
- 物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力
- ある物事に対する確かな考えや意見
- 識見
- 気位 (きぐらい)
- みえ
などの意味があります。
「見識」の正しい使い方を例文で紹介!

「見識」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①物事を深く見通し本質をとらえる、すぐれた判断力を意味する時
ある物事に対する確かな考えや、意見を表す時に使われます。
【例文①】

彼は見識が深いので、いつも的確なアドバイスをくれます。
【例文②】

見識を深めるため、勉強しつづけたい。
例文②他者に対する気位を表す時
自分に誇りをもって堂々とした振る舞いを表す時に使われます。
【例文①】

祖母は見識が高い人です。
【例文②】

元カレは見識の高い人で、いつも人目を気にしていました。
【見識を使う時の注意点】
「見識」は一般的に「物事を深くも通して本質を捉える優れた判断力」という意味で使われますが、人に対する見栄やプライドを意味する場合もあるため、文脈によって理解するようにしましょう。
「見識」の類義語・言い換え4選

『見識』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 識見
- 卓識
- 洞察力
- 先見の明
類義語①識見の意味
物事を正しく見分ける力。また、優れた意見。見識。しっけん。
引用:goo辞書

彼はうちの部署の中でも識見のある人だ。
類義語②卓識の意味
すぐれた判断力や考え。すぐれた見識。卓見。
引用:goo辞書

彼女の卓式ある発言にはいつも感心させられる。
類義語③洞察力の意味
物事の性質や原因を見極めたり推察したりするスキルや能力のこと。
引用:Weblio辞書

彼女には人並外れた洞察力があります。
類義語④先見の明の意味
事が起こる前にそれを見抜く見識。先見の識 (しき) 。
引用:goo辞書

先見の明があった祖父は、一代でここまで会社を大きくしました。

「見識」と「識見」の違いは?

「見識」と「識見」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「見識」には物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力という意味がありますが、
それに対し「識見」には、物事を正しく見分ける力という意味があります。
「見識」は、経験に基づいた知識や判断を意味することが多く、「識見」は学問的な知識や専門的な視点を意味する場合が多いです。
非常に似ている言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「見識」は英語で『insight』

見識は英語の『insight』に言い換えることができます。
英語の『insight』には
- 洞察(力)
- 眼識
- 識見
という意味があります。
「見識」の対義語・反対語は『寡聞』

見識の対義語は、『寡聞』になります。
寡聞には
- 見聞が狭く浅いこと
などの意味があり、見聞が狭く浅いことを謙遜していう場合に用いられます。

その件については寡聞にして存じ上げません。
物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力という意味の「見識」に対して、見聞が狭く浅いことという意味の「寡聞」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
