「機微」という言葉には、「表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情」という意味があります。
細かな心情を表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「機微」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「機微」の意味は『表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情』
機微の読み方は「きび」です。
明確な語源や由来はありませんが、「機」と「微」のそれぞれの意味は、
- 「機」は、心の動き
- 「微」は、物事の変化
この2つが合わさってできた言葉です。
『機微』には
- 表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情
などの意味があります。
「機微」の正しい使い方を例文で紹介!
「機微」は、表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
女性の心の機微に気づくことができる男性はモテるだろう。
例文②
この作家は心の機微を表すのが上手い。
例文③
彼は社会情勢の機微を捉え、株で大儲けした。
例文④
機微に聡い君なら、彼女のメンタルケアも上手くできるでしょう。
例文⑤
妻の機微を察して動くことが、夫婦円満の秘訣です。
【機微を使う時の注意点】
「機微を富む」という言い回しは誤りですので注意しましょう。
これは「機知を富む」と混同した表現です。
「機知」と「機微」は文字面や音が似ていますが、意味合いは全く異なりますので誤用しないように気をつけましょう。
「機微」の類義語・言い換え3選
『機微』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 微妙
- 隠微
- センシティブ
類義語①微妙の意味
一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。
引用:goo辞書
彼との間に微妙な空気が流れた。
類義語②隠微の意味
外に現れず、わかりにくいこと。かすかで目立たないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
彼が最近隠微な動きをしている。怪しい。
類義語③センシティブの意味
微妙で慎重を要するさま。
引用:goo辞書
センシティブな問題なので、発言は慎重に。
「機微」と「機密」の違いは?
「機微」と「機密」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「機微」には表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情という意味がありますが、
それに対し「機密」には、政治・軍事上、きわめて重要な事柄についての秘密という意味があります。
「機微」は精神面の細やかな動きを表す言葉ですが、「機密」は重要な秘密情報を意味します。
単語の意味としては全く異なる言葉ですが、混同しやすい言葉として「機微情報」と「機密情報」があります。
「機微情報」は、個人情報など人に知られたくない情報を意味しますが、「機密情報」は、国や組織にとって重要な、漏洩すると重罪になる外交や軍事的な国家機密を表します。
字面が似ている言葉ですが、意味が異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「機微」は英語で『subtlety』
機微は英語の『subtlety』に言い換えることができます。
英語の『subtlety』には
- 微妙
- 細かい区別立て
などという意味があります。
「機微」の対義語・反対語は『無粋』
機微の対義語は、『無粋』になります。
無粋には
- 世態・人情、特に男女の間の微妙な情のやりとりに通じていないこと
- 遊びのわからないさま
- 面白味のないさま
- やぼ
などの意味があり、世態・人情、特に男女の間の微妙な情のやりとりに通じていないことを表す際に用いられます。
無粋なことを言うもんじゃないよ。
表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情という意味の「機微」に対して、世態・人情、特に男女の間の微妙な情のやりとりに通じていないことという意味の「無粋」は、反対の意味の言葉として使うことができます。