「貴賤」という言葉には、「貴いことと卑しいこと・身分の高い人と低い人」という意味があります。
日常生活であまり使われない言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「貴賤」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「貴賤」の意味は『貴いことと卑しいこと・身分の高い人と低い人』

貴賤の読み方は「きせん」です。
明確な語源や由来はありませんが、「貴」と「賤」のそれぞれの意味は、
- 「貴」は、尊い・身分が高いこと
- 「賤」は、卑しい・身分が低いこと
この2つが合わさってできた言葉です。
『貴賤』には
- 貴いことと、卑しいこと
- 身分の高い人と低い人
などの意味があります。
「貴賤」の正しい使い方を例文で紹介!

「貴賤」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①貴いことと卑しいことを表す時
価値や性質の高低を表す際に使われます。
【例文①】

人の行いには貴賤があると考える。
【例文②】

表現の貴賤を決めるのは容易ではない。
例文②身分の高い人と低い人を表す時
地位や立場の違いを表す際に使われます。
【例文①】

昔は貴賤によって住む場所が分けられていた。
【例文②】

江戸時代には、貴賤の差がはっきりしていた。
【貴賤を使う時の注意点】
「貴賤」は本来、身分の高低や価値の優劣を表す言葉で、古風な言い回しです。
現代で「貴賤の差」と使うと差別的に受け取られることがあるため使用の際には注意しましょう。
「貴賤」の類義語・言い換え4選

『貴賤』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 身分
- 上下
- 高低
- 地位
類義語①身分の意味
ある集団・組織における、その人の地位・資格。
引用:Weblio辞書

昔は身分の違いが生活に大きな影響を与えていた。
類義語②上下の意味
地位・身分・年齢などの、上位と下位。また、その人。
引用:Weblio辞書

社会の上下を越えて交流することが平和につながる。
類義語③高低の意味
高いことと低いこと。たかひく。
引用:Weblio辞書

これは身分の高低にかかわらず、誰もが参加できます。
類義語④地位の意味
社会やある組織の中で、人や物の占めている位置。身分や立場など。
引用:Weblio辞書

地位の差を越えて協力することが大切だ。

「貴賤」と「優劣」の違いは?

「貴賤」と「優劣」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「貴賤」には貴いことと卑しいこと・身分の高い人と低い人という意味がありますが、
それに対し「優劣」には、優れていることと劣っていることという意味があります。
「貴賤」は、社会的な身分や地位の上下を中心に表すのに対して、「優劣」は、能力や価値の比較を中心に表します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「貴賤」は英語で『high and low』

貴賤は英語の『high and low』に言い換えることができます。
英語の『high and low』には
- (身分の)高きも低きも
- あらゆる階級の(人たち)
という意味があります。
「貴賤」の対義語・反対語は『対等』

貴賤の対義語は、『対等』になります。
対等には
- 相対する双方の間に優劣・高下などの差のないこと
- 同等
などの意味があり、同等であることを表す際に用いられます。

意見を交わすときは誰とでも常に対等でいたい。
貴いことと卑しいことや、身分の高い人と低い人という意味の「貴賤」に対して、相対する双方の間に優劣・高下などの差のないことという意味の「対等」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
