「渾然一体」という言葉には、「いくつかのものが溶け合って区別がつかないさま」という意味があります。
一丸となっている様子を表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「渾然一体」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「渾然一体」の意味は『いくつかのものが溶け合って区別がつかないさま』
渾然一体の読み方は「こんぜんいったい」です。
語源は、溶け合って区別のない様子を表す「渾然」と、一つのものを表す「一体」が組み合わされた言葉です。
紀元前の中国の思想書である「精神訓」で使われたことが言葉の始まりだと言われています。
『渾然一体』には
- いくつかのものが溶け合って区別がつかないさま
という意味があります。
「渾然一体」の正しい使い方を例文で紹介!
「渾然一体」は、区別がつかない様子を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
チーム全員が渾然一体となって取り組むことが大切だ。
例文②
今日の試合は、まさに渾然一体といえる掛け合いが見られた。
例文③
組織が渾然一体となるよう、リーダーシップを発揮する。
例文④
このドラマでは渾然一体とは程遠い組織が、一致団結していく様子が描かれています。
例文⑤
昨日のライブは映像と音楽が渾然一体となった演出で、感動した。
【渾然一体を使う時の注意点】
「渾然一体」は、「混然一体」と表記する場合があります。
「混然一体」と書かれている場合でも、意味は同じですので覚えておきましょう。
「渾然一体」の類義語・言い換え2選
『渾然一体』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 一心同体
- 不離一体
類義語①一心同体の意味
二人、または多くの人が心を一つにして、あたかも一人の人のように固く結びつくこと。
引用:goo辞書
私と彼は一心同体です。
類義語②不離一体の意味
一つになっており離れることがないさま。一体不離。
引用:Weblio辞書
私と娘は不離一体の関係です。
「渾然」と「混然」の違いは?
「渾然」と「混然」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「渾然」にはすべてがとけ合って区別がないさまという意味がありますが、
それに対し「混然」にも、すべてがとけ合って区別がないさまという意味があります。
「渾」と「混」は通用する漢字で、「渾然」と「混然」は同じ意味の言葉として使うことができます。
「渾然一体」は英語で『in complete harmony』
渾然一体は英語の『in complete harmony』に言い換えることができます。
英語の『in complete harmony』には
- 渾然一体
- 混然一体
という意味があります。
「渾然一体」の対義語・反対語は『ばらばら』
渾然一体の対義語は、『ばらばら』になります。
ばらばらには
- 一つにまとまらないで、分散しているさま
- それぞれに違っているさま
などの意味があり、一つにまとまらないで、分散しているさまを表す際に用いられます。
母の精神的な病気がきっかけで、家族がばらばらになってしまった。
いくつかのものが溶け合って区別がつかないさまという意味の「渾然一体」に対して、一つにまとまらないで、分散しているさまという意味の「ばらばら」は、反対の意味の言葉として使うことができます。