「共時的」という言葉には、「一定時期における現象などを記述するさま」という意味があります。
ある一定の時代を研究する際などに使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「共時的」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
共時的の意味は『時間の流れや歴史的な変化を考慮せず、一定時期における現象・構造について記述するさま』
共時的の読み方は「きょうじてき」です。
語源は、スイスの言語学者・ソシュールの用語です。
『共時的』には
- 時間の流れや歴史的な変化を考慮せず、一定時期における現象・構造について記述するさま
などの意味があります。
「共時的」の正しい使い方を例文で紹介!
「共時的」は、一定時期における現象などを記述するさまを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
大学の卒論では地元の伝統芸能について共時的に研究しました。
例文②
これは、韓国語について共時的な観点からまとめられた本です。
例文③
共時的な勉強方法で日本史を学ぶと、より深く知ることができる。
例文④
共時的に調べられた文献を読みました。
【共時的を使う時の注意点】
専門用語的で難しい印象のある言葉ですが、時を共通すると書き表しますので、同じ時代や時間を共有するというイメージで覚えるとよいでしょう。
「共時的」の類義語・言い換え2選
『共時的』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 横断的
- 構造主義
類義語①横断的の意味
異なる分野・種類などを超えたつながりがあるさま。
引用:goo辞書
小学校では教科横断的な学習が進められています。
類義語②構造主義の意味
人間の社会的、文化的諸事象を可能ならしめている基底的な構造を研究しようとする立場。ソシュール以降の言語学理論を背景に、レビ=ストロースの人類学でこの方法が用いられて以来、哲学や精神分析など、主として人文・社会科学の領域で展開されている。
引用:goo辞書
この論文は、構造主義を詳しく説明しています。
「共時的」と「通時的」の違いは?
「共時的」と「通時的」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「共時的」には一定時期における現象などを記述するさまという意味がありますが、
それに対し「通時的」には、関連する複数の現象などを、歴史的な変化にそって記述するさまという意味があります。
どちらもソシュールという学者の用語です。
ある一定の時代の現象などを記述する「共時的」に対して、「通時的」は歴史的な変化にそって記述することという意味ですので、対義語として使うことができます。
「共時的」は英語で『synchronique』
共時的は英語の『synchronique』に言い換えることができます。
英語の『synchronique』には
- 共時的
という意味があります。
「共時的」の対義語・反対語は『通時的』
共時的の対義語は、『通時的』になります。
通時的には
- 関連する複数の現象や体系を、時間の流れや歴史的な変化にそって記述するさま。
の意味があり、歴史的な変化にそって記述する際に用いられます。
世界史を通時的に学ぶことで、全体像を把握する。
歴史的な変化にそって記述する「通時的」に対して、ある一定の時代の現象などを記述する「共時的」は、反対の意味合いを表しています。