「先達」という言葉には、「 他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くこと」という意味があります。
学問などの先輩や、指導者、案内人を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「先達」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「先達」の意味は『 他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くこと』
【先達の意味】
- 他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くこと。また、その人。先輩。せんだち。
- 山伏や一般の信者が修行のために山に入る際の指導者。せんだち。
- 道などを案内すること。案内人。また、指導者。せんだち。
引用:goo辞書
先達の読み方は「せんだつ(せんだちとも読む)」です。
語源は漢字の「先」と「達」から成り立っており、
- 「先」は前の方、時間的に早い
- 「達」は至る、行き着く
の2つが合わさってできた言葉です。
『先達』には
- 他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くこと
- 山伏や一般の信者が修行のために山に入る際の指導者
- 道などを案内すること
などの意味があります。
「先達」の正しい使い方を例文で紹介!
「先達」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①「その道の先輩」という意味で使う時
学問や技芸などの道で、先に立ってその分野を進み、他を導くことを表すとき時に使われます。
【例文①】

先達が残した資料によって、現在の研究は支えられている。
【例文②】

行き詰まった時は、先達に教えを乞うべきです。
例文②「修行のために山に入る際の指導者」という意味で使う時
修行のために山に入る際の指導者のことを表す時に使われます。
【例文①】

先達の指導を受けながら、山伏修行の体験をしました。
【例文②】

現代では、富士山や熊野などで先達が活躍しています。
例文③「案内人」という意味で使う時
案内人のことを表す時に使われます。
【例文①】

江戸時代には、お伊勢参りの名所案内をする先達が多くいた。
【例文②】

旅先では、地元の先達と一緒に観光すると、その土地の理解が深まります。
【先達を使う時の注意点】
複数の意味を持つ言葉なので、使われている文脈に注意が必要です。
「先達」の類義語・言い換え4選
『先達』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 先輩
- 先覚
- 指導者
- 案内人
類義語①先輩の意味
- 年齢・地位・経験や学問・技芸などで、自分より上の人。
- 同じ学校や勤務先などに先に入った人。
引用:goo辞書

先輩方の知恵を借りて、論文を仕上げることができました。
類義語②先覚の意味
- 人より先に物事の道理を悟ること。また、その人。
- 学問や見識のすぐれている先輩。先学。先進。
引用:goo辞書

文学の世界では、先覚から学ぶことが非常に多いです。
類義語③指導者の意味
- 学問などの手引きや助言を行う人。
- 国家や団体を率いる立場にある人。
引用:goo辞書

よき指導者に出会うことは、人生を大きく変えるだろう。
類義語④案内人の意味
- 場内・館内の配置などを教え、必要な説明をする人。案内係。
- 名所・旧跡などの説明や案内をする人。ガイド。
- 道案内をする人。
引用:goo辞書

案内人の説明を聞くことができるサービスを利用しました。

「先達」と「先人」の違いは?
「先達」と「先人」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「先達」には他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くことという意味がありますが、
それに対し「先人」には、昔の人、前人、古人という意味があります。
2つの大きな違いとしては、現在も生存している人を指すときは「先達」を、今よりも前の時代に生きていた人を指すときは「先人」を使います。
「先達」は英語で『leader of the way』
先達は英語の『leader of the way』に言い換えることができます。
英語の『leader of the way』には
- 先達
という意味があります。
「先達」の対義語・反対語は『後進』
先達の対義語は、『後進』になります。
後進には
- 学問・技芸など、先人のたどった道をあとから進むこと
- 車や船などが後ろへ動くこと
などの意味があり、学問や技芸の分野で、先人が開いた道をあとから進むことを表すときに用いられます。

この分野の発展のために、後進の指導は重要です。
「先達」は他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くことという意味で使われ、「後進」は学問・技芸など、先人のたどった道をあとから進むことという意味で使われます。
