「置いてきぼり」という言葉には、「他の者を残したまま、その場を去ってしまうこと」という意味があります。
仲間といたはずなのに、自分だけが取り残されてしまった時などによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「置いてきぼり」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
置いてきぼりの意味は『他の者を残したまま、置き去りにすること』
置いてきぼりの読み方は「おいてきぼり」です。
語源は諸説ありますが、江戸(今の東京)にあった怪談だとされています。
あるお堀で釣りをして帰ろうとすると、水中から「置いてけ、置いてけ」と魚を返すまで声が続いた、という気味の悪い場所が「置いてけ堀」と名付けられ、その意味が転じて「置いてきぼり」になったとされています。
『置いてきぼり』には
- 他の者を残したまま、その場を去ること
などの意味があります。
「置いてきぼり」の正しい使い方を例文で紹介!
「置いてきぼり」は、行動や会話において、自分だけがその場に取り残されてしまった様子を表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
2人の会話についていけなくて、1人置いてきぼりを食らった。
例文②
初詣の人混みで皆は先に行ってしまったので、僕は置いてきぼりにされた。
例文③
みんなが出世していく中、私は置いてきぼりにされている。
【置いてきぼりを使う時の注意点】
「置いてきぼり」は、ある場所に置き去りにされたというだけではなく、周りの会話についていけず淋しく感じたり、心理的に1人置いていかれた気分になった時にも使用する言葉です。
また、「置いてきぼりにされた」という言い方もしますが、身に受ける、こうむるという意味の「食らう」を語尾につけ「置いてきぼりを食らう」という表現もよく使用されます。
「置いてきぼり」の類義語・言い換え4選
『置いてきぼり』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 置き去り
- 放置
- ほったらかす
- なおざり
類義語①置き去りの意味
- その場に残したまま、行ってしまうこと。置き捨て。
- 重要でないものとして、放置すること。
引用:goo辞書
車内で彼氏と口論したら、高速道路のサービスエリアで置き去りにされた。
類義語②放置の意味
そのままにしてほうっておくこと。所かまわず置きっぱなしにしておくこと。
引用:goo辞書
何度言っても宿題をしない息子を、放置している。
類義語③ほったらかすの意味
かまわずにそのままにしておく。うっちゃっておく。ほっぽらかす。
引用:goo辞書
脱いだものをそのままほったらかすから、部屋が散らかった。
類義語④なおざりの意味
- いいかげんにしておくさま。本気でないさま。おろそか。
- ほどほどで、あっさりしているさま。
引用:goo辞書
娘は高校生なのに学業がなおざりなので、将来が心配だ。
「置いてきぼり」と「置いてけぼり」の違いは?
「置いてきぼり」と「置いてけぼり」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「置いてきぼり」には他の者を残したまま、置き去りにすることという意味がありますが、
それに対し「置いてけぼり」にも、他の者を残したまま、置き去りにすることという意味があります。
辞書で調べても、この2つの意味は全く同じ言葉として掲載されています。
ですから、どちらを使用しても全く問題はありません。
方言ということもないので、地域によっての差もありませんが、使用傾向としては60代以上の方が「置いてきぼり」、それより下の世代は「置いてけぼり」を使用することが多いようです。
「置いてきぼり」は英語で『leaving somebody behind』
置いてきぼりは英語の『leaving somebody behind』に言い換えることができます。
英語の『leaving somebody behind』には
- 置いてけぼり
という意味があります。
「置いてきぼり」の対義語・反対語はありません
置いてきぼりの対義語は、ありません。