「虚心坦懐」という言葉には、「先入観やとらわれの心を持たない素直な状態」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「虚心坦懐」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「虚心坦懐」の意味は『先入観やとらわれの心を持たない素直な状態』
虚心坦懐の読み方は「きょしんたんかい」です。
語源は、先入観がないという意味をもつ「虚心」と、心が平らかでわだかまりがないことを意味する「坦懐」が組み合わされた言葉です。
『虚心坦懐』には
- 先入観やとらわれの心を持たない素直な状態
などの意味があります。
「虚心坦懐」の正しい使い方を例文で紹介!
「虚心坦懐」は、先入観やとらわれの心を持たない素直な状態を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子虚心坦懐に話し合えば、きっとわだかまりは消えるはずだ。
例文②
B男彼はいつも虚心坦懐で、人の話を聞いてくれる。
例文③
C子問題が起きたときこそ、虚心坦懐で向き合おう。
例文④
B子虚心坦懐な人は、自然と人を惹きつける。
例文⑤
C男虚心坦懐でいることが、最も難しい。
【虚心坦懐を使う時の注意点】
「虚心坦懐」は、先入観や私情を持たず、素直な気持ちで物事に向き合う様子を表す言葉です。
前向きで評価の高い意味を持つため、一般的には他者の姿勢を評価する場面で使うか、文章表現として客観的に使われます。
「虚心坦懐」の類義語・言い換え2選
『虚心坦懐』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 明鏡止水
- 自由闊達
類義語①明鏡止水の意味
邪念ややましさがなく、落ち着き払っているという意味のこと。
引用:Weblio辞書
B子トラブルの最中でも、明鏡止水を心がけることが大切だ。
類義語②自由闊達の意味
度量が大きく小事にこだわらないさま。
引用:Weblio辞書
A子自由闊達な雰囲気が、チームの活気につながっている。

「虚心坦懐」と「明鏡止水」の違いは?
「虚心坦懐」と「明鏡止水」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「虚心坦懐」には先入観やとらわれの心を持たない素直な状態という意味がありますが、
それに対し「明鏡止水」には、邪念ややましさがなく、落ち着き払っているという意味があります。
「虚心坦懐」は、先入観や私情を捨てて、素直な気持ちで物事や他人の意見に向き合う姿勢を表しますが、「明鏡止水」は、心が澄み切って落ち着き、感情や雑念に乱されていない精神状態を表します。
どちらも冷静さを表す四字熟語ですが、「虚心坦懐」は態度や姿勢を表すニュアンスが強く、「明鏡止水」は心の状態を意味することが多いです。
「虚心坦懐」は英語で『candid』
虚心坦懐は英語の『candid』に言い換えることができます。
英語の『candid』には
- 率直な
- 公平な
- 偏見のない
- ありのままの
などという意味があります。
「虚心坦懐」の対義語・反対語は『偏見』
虚心坦懐の対義語は、『偏見』になります。
偏見には
- 偏った見方
- 根拠のない差別的な考え
- 好意的ではない判断
などの意味があり、偏った見方を表す際に用いられます。
B男偏見を持たずに相手の話を聞く姿勢が大切だ。
先入観やとらわれの心を持たない素直な状態という意味の「虚心坦懐」に対して、偏った見方という意味の「偏見」は、反対の意味の言葉として使うことができます。


