「一環」という言葉には、「全体の一部分」という意味があります。
日常生活・ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「一環」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「一環」の意味は『全体の一部分』
一環の読み方は「いっかん」です。
「一」は小学1年生、「環」は中学生で習う漢字で、
- 「一」はひとつ・ ひとたび ・はじめ ・同じ ・ひとつにする ・すべて
- 「環」はたまき・輪の形をした玉・わ・輪の形
の2つが合わさってできた言葉です。
『一環』には
- 全体の一部分
- 互いに密接な関係をもつものの一部分
- 鎖などの一つの輪
などの意味があります。
「一環」の正しい使い方を例文で紹介!
「一環」は、全体としてのつながりの中の一部のことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子研修セミナーへの参加も業務の一なので、しっかりと受けてきてほしいです。
例文②
B男若者の間では職場の飲み会も残業の一環という扱いになっているようです。
例文③
C子地域貢献の一環として、地元の高校生達が除雪のボランティアを行いました。
例文④
B子業務の一環とはいえ、球場の視察はワクワクします。
例文⑤
C男私達の学校では授業の一環として、秋に宿泊研修を行います。
【一環を使う時の注意点】
「一環」は全体の一部分という意味で、主に「~の一環」「~の一環として」という表現で使われます。
また、何かに失敗に対し「いっかんの終わりだ」と言うことがありますが、「いっかん」は「一環」ではなく「すべて」という意味の「一巻」なので使う際は注意が必要です。
「一環」の類義語・言い換え4選
『一環』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 部分
- 一端
- 一角
- 一項目
類義語①部分の意味
全体をいくつかに分けたものの一つ。
引用:コトバンク
B子卒業文集の一部分を修正してやっと完成しました。
類義語②一端の意味
- 一方のはし。片はし。
- 一部分。
引用:コトバンク
A子今回のプロジェクトがうまくいかなかった責任の一端は、私にあります。
類義語③一角の意味
- ひときわすぐれていること。いっかど。
- それ相応であること。一人前であること。
- 一つの事柄。一つの方面。
引用:コトバンク
B男部屋の一角の推し活コーナーを作りました。
類義語④一項目の意味
B子この参考書は、一項目ずつとても丁寧に記されているので、とても分かりやすい。

「一環」と「一貫」の違いは?
「一環」と「一貫」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「一環」には全体の一部分という意味がありますが、
それに対し「一貫」には、 一つの方針・方法・態度で、始めから終わりまでつらぬき通すことという意味があります。
どちら読み方も「いっかん」で同じですが、「一環」は全体としてのつながりの中の一部のことを指しています。
一方で、「一貫」は何があっても姿勢を変えず、決めたことをやり抜くことを指しています。
「一環」は英語で『as part of』
一環は英語の『as part of』に言い換えることができます。
英語の『as part of』には
- … の一部として
- 一環として
という意味があります。
「一環」の対義語・反対語は『全体』
一環の対義語は、『全体』になります。
全体には
- からだのすべての部分・全身
- あるひとまとまりの物事のすべての部分
などの意味があり、あるひとまとまりの物事のすべての部分を表すときに用いられます。
B男今年の合唱コンクールでは、クラス全体で士気が高まり良い成績をおさめることができました。
「一環」は全体としてのつながりの中の一部のことを指し、「全体」はあるひとまとまりの物事のすべての部分を指しています。


