「濡れ手で粟」という言葉には、「ほねをおらずに多くの利益を得ること」という意味があります。
苦労せずに利益を得ることを表現するときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「濡れ手で粟」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
濡れ手で粟の意味は『ほねをおらずに多くの利益を得ること』

濡れ手で粟の読み方は「ぬれてであわ」です。
粟とは日本古来の五穀の一種で、古くから馴染みのある作物です。
濡れた手で粟を掴むと、たくさんの粟が手にくっついてくることから、苦労せずに多くの利益を得ることという意味で「濡れ手で粟」という言葉が使われるようになりました。
『濡れ手で粟』には
- ほねをおらずに多くの利益を得ること
- やすやすと金もうけをすること
などの意味があります。
「濡れ手で粟」の正しい使い方を例文で紹介!

「濡れ手で粟」は、苦労せずに利益を得ることを表現するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

思い付きで買った宝くじが大当たりして、濡れ手で粟の大金が舞い込んだ。
例文②

有名人が私服として自社のTシャツを着ていて、売り切れになるほど話題になるなんて、濡れ手で粟の出来事だ。
例文③

断捨離を始めたという親戚からブランド品を譲り受けて、濡れ手で粟とはこのことだと思った。
例文④

SNS人気から商品がヒットするのは濡れ手で粟に思われるかもしれませんが、その裏には戦略や努力が隠れているものです。
例文⑤

濡れ手で粟の大金を夢見るのではなく、実直に働くのが一番だ。
【濡れ手で粟を使う時の注意点】
努力しても実らないという意味で「濡れ手で泡」と使うことがありますが、誤用ですので注意しましょう。
「濡れた手で粟」の類義語・言い換え3選

『濡れ手で粟』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 漁夫の利
- 棚からぼたもち
- 一攫千金
類義語①漁夫の利の意味
両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ。
引用:コトバンク

大手2社が対立している間に、漁夫の利でベンチャー企業が契約を勝ち取った。
類義語②棚からぼたもちの意味
思いがけない好運を得ること、労せずしてよいものを得ることのたとえ。たなぼた。
引用:コトバンク

友達が仕事で行けなくなったので、棚からぼたもちでコンサートのチケットを譲ってもらった。
類義語③一攫千金の意味
一度に、しかもたやすく大きな利益を得ること。
引用:コトバンク

彼は一攫千金を夢見て、仮想通貨を始めたらしい。

「濡れ手で粟」は英語で『make easy money』

濡れ手で粟は英語の『make easy money』に言い換えることができます。
英語の『make easy money』には
- 濡れ手に粟の大もうけ
という意味があります。
「濡れ手で粟」の対義語・反対語は『骨折り損のくたびれ儲け』

濡れ手で粟の対義語は、『骨折り損のくたびれ儲け』になります。
骨折り損のくたびれ儲けには
- 苦労しても、疲れるだけで、少しも成果が上がらないこと
などの意味があり、苦労のわりに成果がないことを表すときに用いられます。

新作ゲームを買うために早朝から並んだのに整理券をもらえず、骨折り損のくたびれ儲けになってしまった。
「濡れ手で粟」はほねをおらずに多くの利益を得ることという意味で使われ、「骨折り損のくたびれ儲け」は苦労しても、疲れるだけで、少しも成果が上がらないことという意味で使われます。
