「未曾有」という言葉には、「今までに一度もなかったこと」という意味があります。
珍しいことを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「未曾有」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「未曾有」の意味は『今までに一度もなかったこと』
未曾有の読み方は「みぞう」です。
以前は「みぞうう」と読まれていたため、「みぞうう」と読んでも間違いではありませんが、現在は「みぞう」と読むのが一般的です。
語源は、古代インドの言語であるサンスクリット語で希有なことを意味する「abdhuta(アドゥブタ)」です。
「abdhuta」が中国に伝わった際に「未曾有」と訳されたことが由来となっており、その後日本語として使われるようになりました。
『未曾有』には
- 今までに一度もなかったこと
- 非常に珍しいこと
- 希有
などの意味があります。
「未曾有」の正しい使い方を例文で紹介!
「未曾有」は、今までに一度もなかったことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
東日本大震災は、未曾有の自然災害だった。
例文②
未曾有の災害を事前に防ぐことは難しい。
例文③
そのウイルスによって、世界中が未曾有の危機に陥った。
例文④
これからの世の中は未曾有の時代だ。
例文⑤
未曾有の事態に対応できる力を養う必要がある。
【未曾有を使う時の注意点】
「未曾有」は、「未 (いま) だ曾 (かつ) て有らず」と書くため、意味と合わせて覚えておきましょう。
また、「曾」は常用漢字外のため「未曽有」と書かれる場合がありますが、意味は同じです。
「未曾有」の類義語・言い換え4選
『未曾有』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 前代未聞
- 空前
- 破天荒
- 想定外
類義語①前代未聞の意味
これまでに聞いたこともないような珍しく変わったこと。また、たいへんな出来事。
引用:goo辞書
二刀流選手がメジャーで活躍するなんて、前代未聞だ。
類義語②空前の意味
今までに例を見ないこと。未曽有 (みぞう) 。
引用:goo辞書
これは、我が社にとって空前の損失だ。
類義語③破天荒の意味
前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。前代未聞。未曽有 (みぞう) 。
引用:goo辞書
彼は破天荒な性格で有名です。
類義語④想定外の意味
事前に予想した範囲を越えていること。
引用:goo辞書
想定外のことが起こりました。
「未曾有」と「前代未聞」の違いは?
「未曾有」と「前代未聞」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「未曾有」には今までに一度もなかったことという意味がありますが、
それに対し「前代未聞」には、これまでに聞いたこともないような珍しく変わったことという意味があります。
「未曽有」は悪い意味で使われることがほとんどですが、「前代未聞」は、いい意味でも悪い意味でも使われるという違いがあります。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「未曾有」は英語で『unprecedented』
未曾有は英語の『unprecedented』に言い換えることができます。
英語の『unprecedented』には
- 先例のない
- 空前の
などという意味があります。
「未曾有」の対義語・反対語は『通常』
未曾有の対義語は、『通常』になります。
通常には
- 特別でなく、普通の状態であること
- 世間一般にみられる状態であること
などの意味があり、特別でなく、普通の状態であることを表す際に用いられます。
本日より、通常営業となります。
今までに一度もなかったことという意味の「未曾有」に対して、世間一般的に見られる普通の状態であることという意味の「通常」は、反対の意味の言葉として使うことができます。