「水掛け論」という言葉には、「互いに譲歩や理解を示そうともせず持論を主張するばかりで一向に進展しない議論」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「水掛け論」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「水掛け論」の意味は『互いに譲歩や理解を示そうともせず持論を主張するばかりで一向に進展しない議論』

水掛け論の読み方は「みずかけろん」です。
語源は江戸時代に使われていた比喩表現です。
水を掛け合っても決着がつかないことから、言い合っても平行線で結論が出ない議論を意味するようになりました。
『水掛け論』には
- 互いに譲歩や理解を示そうともせず持論を主張するばかりで一向に進展しない議論
- 互いに譲歩や理解を示そうともせず言い争うさま
などの意味があります。
「水掛け論」の正しい使い方を例文で紹介!

「水掛け論」は、互いに譲歩や理解を示そうともせず持論を主張するばかりで一向に進展しない議論を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

長時間の会議だったが、結局は水掛け論に終わった。
例文②

双方が譲らず、水掛け論の状態が続いている。
例文③

感情的なやり取りで水掛け論に陥らないよう、冷静になることが大切だ。
例文④

どちらかが譲歩しない限り、水掛け論の泥沼から抜け出せない。
例文⑤

水掛け論になる前に、第三者の意見を取り入れよう。
【水掛け論を使う時の注意点】
「水掛け論」は、互いに主張をぶつけ合い平行線のまま結論が出ない議論を指し、不毛さや否定的なニュアンスがあります。
ビジネスで使う際は、相手の意見を軽視している印象を与えないよう注意が必要です。
「水掛け論」の類義語・言い換え4選

『水掛け論』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 堂々巡り
- 不毛な議論
- 言い争い
- 空論
類義語①堂々巡りの意味
議論や思考が進まず、同じところで巡っているさま、一向に物事が進展しないさまなどを意味する表現である。
引用:Weblio辞書

今日の会議では具体的な策が出ず、堂々巡りだった。
類義語②不毛な議論の意味
全く収穫がない話し合いや会議などのこと、良い結果が見込めない議論を意味する表現。
引用:Weblio辞書

責任のなすりつけ合いは、不毛な議論だ。
類義語③言い争いの意味
言い争うこと。口げんか。口論。
引用:Weblio辞書

感情的な言い争いは避けましょう。
類義語④空論の意味
現実とかけ離れた、役に立たない議論・理屈。
引用:Weblio辞書

空論を並べるだけではなく、根拠を明らかにしてください。

「水掛け論」と「押し問答」の違いは?

「水掛け論」と「押し問答」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「水掛け論」には互いに譲歩や理解を示そうともせず持論を主張するばかりで一向に進展しない議論という意味がありますが、
それに対し「押し問答」には、互いに譲らず、言葉の応酬を続けることという意味があります。
「水掛け論」は、互いの主張が平行線で不毛に終わる冷静な議論を表しますが、「押し問答」は、言葉の応酬や意地の張り合いが続く、感情的な言い合いを意味します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「水掛け論」は英語で『fruitless dispute』

水掛け論は英語の『fruitless dispute』に言い換えることができます。
英語の『fruitless dispute』には
- 水掛け論
という意味があります。
「水掛け論」の対義語・反対語は『埒が明く』

水掛け論の対義語は、『埒が明く』になります。
埒が明くには
- 物事にきまりがつく
- かたがつく
などの意味があり、物事にきまりがつくことを表す際に用いられます。

このまま話し合っても、埒が明かないだろう。
互いに譲歩や理解を示そうともせず持論を主張するばかりで一向に進展しない議論という意味の「水掛け論」に対して、物事にきまりがつくという意味の「埒が明く」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
