「水に流す」という言葉には、「過去のいざこざなどを、すべてなかったことにする」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「水に流す」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「水に流す」の意味は『過去のいざこざなどを、すべてなかったことにする』
水に流すの読み方は「みずにながす」です。
罪人が川や海の水に浸かって身体を清める禊という行為から「水がけがれを洗い流す」という考えが語源となっています。
この考え方が転じて、過去のいざこざをなかったことにすることを「水に流す」と表現されるようになりました。
『水に流す』には
- 過去のいざこざなどを、すべてなかったことにする
などの意味があります。
「水に流す」の正しい使い方を例文で紹介!
「水に流す」は、過去のいざこざなどを、すべてなかったことにすることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
過去のトラブルについて、水に流す。
例文②
同居するにあたって、過去の実母とのいざこざを表面上は水に流すことにした。
例文③
彼のやったことを水に流そうと思ったが、どうしても許せない。
例文④
会社から受けたパワハラを水に流して働き続けるか、転職するか迷う。
例文⑤
昨日の喧嘩は水に流して、また家族として仲良くやっていこう。
【水に流すを使う時の注意点】
「水に流す」は人間関係のトラブルについて使われることが多いです。
関係を再構築する際の常套句のように使われますので、意味をしっかりと理解しておきましょう。
「水に流す」の類義語・言い換え3選
『水に流す』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 帳消し
- ちゃら
- 清算
類義語①帳消しの意味
互いに差し引いて、損得がなくなること。ある物事によって、それまでの損得などの価値が失われること。
引用:goo辞書
今回のミスで、前回の手柄は帳消しだ。
類義語②ちゃらの意味
なかったことにすること。
引用:goo辞書
駅まで送ってくれたら、私のケーキを食べた罪はちゃらにしてあげるよ。
類義語③清算の意味
これまでの関係・事柄に結末をつけること。
引用:goo辞書
きちんと過去を清算して、これからは真っ当に生きていこうと思います。
「水に流す」と「許す」の違いは?
「水に流す」と「許す」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「水に流す」には過去のいざこざなどを、すべてなかったことにするという意味がありますが、
それに対し「許す」には、過失や失敗などを責めないでおくという意味があります。
「水に流す」は、対人関係において過去に何かトラブルなどがあり、その件について無かったことにするという場合に使われますが、「許す」は、過去のトラブルだけでなく、過失や失敗などを咎めないという意味で使われます。
似ている言葉ですがニュアンスが異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「水に流す」は英語で『offset』
水に流すは英語の『offset』に言い換えることができます。
英語の『offset』には
- 差引勘定する
- 相殺する
などという意味があります。
「水に流す」の対義語・反対語は『根に持つ』
水に流すの対義語は、『根に持つ』になります。
根に持つには
- いつまでも恨みに思って忘れない
などの意味があり、いつまでも恨みに思って忘れないことを表す際に用いられます。
僕は、やられたことはかなり根にもつタイプです。
過去のいざこざなどを、すべてなかったことにするという意味の「水に流す」に対して、いつまでも恨みに思って忘れないという意味の「根に持つ」は、反対の意味の言葉として使うことができます。