「虚無」という言葉には、「何もなくむなしい」という意味があります。
物質的にも精神的にも何もないことを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「虚無」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「虚無」の意味は『何もなくむなしい』
【虚無の意味】
1 何物もなく、むなしいこと。空虚。
2 この世に存在するすべてのものに価値や意味を認めないこと。
3 虚心であること。
4 無限の宇宙。大空。虚空(こくう)。
5 古代中国の老子の哲学で、万物の根源・本体は、はかりがたく無であるということ。
引用:weblio辞書
虚無の読み方は「きょむ」です。
語源はニヒリズム=虚無主義という哲学の言葉から来ており、
- 「虚」は何もない・空虚である
- 「無」は存在しない・無い
の2つが合わさってできた言葉です。
『虚無』には
- 何物もなく、むなしいこと
- この世に存在するすべてのものに価値や意味を認めないこと
- 虚心であること
などの意味があります。
「虚無」の正しい使い方を例文で紹介!
「虚無」は、何物にも価値がなくむなしく感じることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
大切なペットを亡くしてしまったことで、途方もない虚無感に襲われた。
例文②
真理や道徳を真っ向から否定する彼の主張は、彼が虚無主義であることをよく表している。
例文③
老人の瞳は徐々に光を無くしていき、やがて彼は永遠の虚無の中に吸い込まれてしまった。
例文④
完全な暗闇の中であてもなく歩き続けるのは、まるで虚無の宇宙を彷徨っているかのような体験だった。
例文⑤
今回の話の終わり方からすると、この漫画は次回で虚無る予感がする。
【虚無を使う時の注意点】
「虚無」は「虚無感」や「虚無主義」などネガティブな意味で使われることが多いです。
ネット用語では、連載中の漫画が打ち切られて終了したような終わり方をすることを「虚無る」と表現します。
「虚無」の類義語・言い換え4選
『虚無』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 空虚
- 皆無
- 絶無
- 虚空
類義語①空虚の意味
毎日与えられた仕事をこなすだけの人生が、ふと空虚に感じた。
類義語②皆無の意味
いくらハンデをもらったところで、インターハイの出場経験のある彼女に勝つ見込みなど皆無に等しい。
類義語③絶無の意味
全くないこと。皆無。
引用:weblio辞書
これまでの成績から考えても、彼が次の試合に勝てる可能性は絶無である。
類義語④虚空の意味
[名]
1 何もない空間。大空。
2 仏語。何も妨げるものがなく、すべてのものの存在する場所としての空間。
[名・形動ナリ]
1 事実にもとづかないこと。また、そのさま。架空。
2 とりとめがないこと。また、そのさま。漠然。
3 思慮分別がないさま。むやみ。やたら。
引用:goo辞書
少年は目に涙を浮かべながら、ただ虚空を見つめていた。
「虚無」と「空虚」の違いは?
「虚無」と「空虚」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「虚無」には何もなく、むなしいという意味がありますが、
それに対し「空虚」には、内容や価値がなく、むなしいという意味があります。
どちらもむなしさを感じている点では共通しています。
しかし、虚無はすべての物事に対してむなしく感じますが、空虚は何かが欠けたことに対してむなしく感じる点に違いがあります。
「愛犬を亡くしたことで虚無感に苦しむ」というと、愛犬を失ったことにより、何事にも価値を見出せずにむなしく感じることを意味します。
一方、「愛犬を亡くしたことで空虚感に苦しむ」というと、いるべき愛犬が欠けてしまったことに対してむなしく感じることを意味します。
「虚無」は英語で『nihility』
虚無は英語の『nihility』に言い換えることができます。
英語の『nihility』には
- 虚無
という意味があります。
「虚無」の対義語・反対語は『充実』
虚無の対義語は、『充実』になります。
充実には
- 必要なものが十分に備わること
- 中身がいっぱいに満ちていること
などの意味があり、足りないものや欠けているものがなく十分に備わっているときに用いられます。
この四年間、友人とサークル活動を楽しみ、アルバイトにも励み、充実した大学生活を送った。
虚無は何もなくむなしいことを意味しますが、充実は中身がいっぱい満ちていることを意味します。