「如実」という言葉には、「現実のままであること」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「如実」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「如実」の意味は『現実のままであること』

如実の読み方は「にょじつ」です。
語源は、仏教用語です。
仏教において「如実」は、真実の姿や真理を意味しており、それが転じて現実のままであることという意味合いで使われるようになりました。
「如」と「実」のそれぞれの意味は、
- 「如」は、そのとおり
- 「実」は、そらごとでない
この2つが合わさってできた言葉です。
『如実』には
- 現実のままであること
- 事実のとおりであること
などの意味があります。
「如実」の正しい使い方を例文で紹介!

「如実」は、現実のままであることや事実のとおりであることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

その歌声には、彼の努力が如実に現れています。
例文②

この文章には、彼女の苦しさが如実に描かれています。
例文③

彼の喜びが表情に如実に現れています。
例文④

戦争の悲惨さが如実に描かれています。
例文⑤

彼の言動が、彼女への不信感を如実に物語っている。
【如実を使う時の注意点】
「如実」は、口語として使われるよりは文章中などで使われることが多い言葉です。
やや硬い印象の表現ですので、時と場合に応じて使うようにしましょう。
「如実」の類義語・言い換え3選

『如実』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 本当
- 実際
- 正確
類義語①本当の意味
偽りや見せかけでなく、実際にそうであること。また、そのさま。ほんと。
引用:goo辞書

今回の試験は本当に簡単でした。
類義語②実際の意味
物事のあるがままの状態。
引用:goo辞書

うまくいっているように見えて、実際は経営が厳しいらしい。
類義語③正確の意味
正しく確かなこと。事実と合っていて少しもまちがいのないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書

その駅に列車が到着した、正確な時間を教えてください。

「如実」と「顕著」の違いは?

「如実」と「顕著」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「如実」には現実のままであることや事実のとおりであることという意味がありますが、
それに対し「顕著」には、際立って目につくさまという意味があります。
「如実」は、事実や状況がありのままであることを表す意味合いが強いですが、「顕著」は目立つ特徴や、眼に見える変化について表します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「如実」は英語で『reality』

如実は英語の『reality』に言い換えることができます。
英語の『reality』には
- 現実(性)
- 真実性
- 実在
- 真実
- 事実
- 現実
- 実物そっくりなこと
- 迫真性
という意味があります。
「如実」の対義語・反対語は『曖昧』

如実の対義語は、『曖昧』になります。
曖昧には
- 態度や物事がはっきりしないこと
- あやふや
などの意味があり、態度や物事がはっきりしないことを表す際に用いられます。

彼女に意を決して告白したのに、曖昧な返事だった。
現実のままであることという意味の「如実」に対して、態度や物事がはっきりしないことという意味の「曖昧」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
