「おいとまする」という言葉には、「訪問先から退散すること」という意味があります。
訪問先から帰る際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「おいとまする」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
おいとまするの意味は『訪問先から退散すること』
「離れる」などという意味の「暇乞い」という言葉に由来しています。
『おいとまする』には
- 訪問先から退散すること
の意味があります。
「おいとまする」の正しい使い方を例文で紹介!
「おいとまする」は、訪問先から退散するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
そろそろ、おいとましましょうかね。
例文②
別件があるので、おいとまさせていただきます。
例文③
話が長くなりそうだったので、タイミングを見ておいとましますと伝えた。
例文④
おいとましようとしたら、別の案件の話を持ち出された。
例文⑤
すぐにおいとましますので、玄関先で失礼します。
【おいとまするを使う時の注意点】
「おいとまする」とは、関西の方言ではなく標準語として使われている言葉です。
「おいとまする」の類義語・言い換え5選
『おいとまする』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 帰る
- 失礼
- 引き上げる
- 退出
- 行く
類義語①帰るの意味
[動ラ五(四)]《「返る」と同語源》
1 自分の家や、もといた場所に戻る。「郷里へ―・る」「まもなく―・ってくる」
2 今いる場所を離れて去る。「客が―・る」
3 野球で、走者が本塁を踏んで得点になる。「ヒットでランナーが―・る」
→戻 (もど) る[用法]
引用:goo辞書
そろそろ家に帰ります。
類義語②失礼の意味
[名・形動](スル)
1 他人に接する際の心得をわきまえていないこと。礼儀に欠けること。また、そのさま。失敬。「―なやつ」「先日は―しました」
2 他人のもとを立ち去ることのていねいな言い方。「お先に―します」
[感]軽く謝るとき、人に何かたずねたり頼んだりするとき、また人と別れるときなどのあいさつの言葉。「―、ちょっと前を通してくださいませんか」「また近いうちに会おう、では―」
引用:goo辞書
お先に失礼します。
類義語③引き上げるの意味
[動ガ下一][文]ひきあ・ぐ[ガ下二]
1 引っ張って上方へ上げる。「錨 (いかり) を―・げる」
2 値段・比率・水準などを高くする。「公共料金を―・げる」「利子を―・げる」
3 選んでよい地位や役につける。登用する。「幹部に―・げられる」
4 差し向けた人や、先方へ出した物などを、自分の所へ戻す。「派遣軍を―・げる」「資金を―・げる」
5 その場所を去ってもとの所へ戻る。「外地から―・げる」「話もそこそこに―・げる」
6 日時を早める。時間を繰り上げる。
「暁の御ときを―・げて夕暮れに行はれし」〈弁内侍日記〉
引用:goo辞書
もう日も暮れるし、引き上げよう。
類義語④退出の意味
[名](スル)今までいた場所からしりぞいて出ること。特に、おおやけの場所や貴人の前などから出ること。「法廷から―する」
引用:goo辞書
私はここで退出させていただきます。
類義語⑤行くの意味
1 向こうへ移動する。「はやく―・け」
2 目的地へ向かって進む。「学校へ―・く」
3 歩く。歩いて進む。「悪路を―・く」
4 通り過ぎる。「沖を―・く船」
5 年月が経過する。「―・く秋を惜しむ」
6 流れる。「―・く水のごとく」
7 (逝く)死ぬ。「君―・きて三年」
8 物事がはかどる。「うまく―・かない」
9 物事をする。「前の方法で―・くことにする」
10 気持ちが十分満足する。「納得が―・く」
11 年をとる。成長する。「年の―・かない子供」
12 嫁に行く。とつぐ。「末娘も嫁に―・く年ごろになった」
13 (「いく」の形で)俗に、性交時の快感が絶頂に達する。
14 (補助動詞)動作の継続・進行の意を表す。「やせて―・く」
引用:goo辞書
じゃあ、そろそろ行くね。
「おいとまする」は英語で『take one's leave』
おいとまするは英語の『take one's leave』に言い換えることができます。
英語の『take one's leave』には
- 失敬する
- いとまを告げる
という意味があります。
「おいとまする」の対義語・反対語は『伺う』
おいとまするの対義語は、『伺う』になります。
伺うの意味
[動ワ五(ハ四)]《「窺う」と同語源。目上の人のようすをうかがいみる意から、その動作の相手を敬う謙譲語となる》
1 「聞く」の謙譲語。拝聴する。お聞きする。「おうわさはかねがね―・っております」
2 「尋ねる」「問う」の謙譲語。「この件について御意見をお―・いします」
3 「訪れる」「訪問する」の謙譲語。「明朝、こちらから―・います」
4 神仏の託宣を願う。「御神託を―・う」
5 《「御機嫌をうかがう」の意から》寄席などで、客に話をする。また、一般に、大ぜいの人に説明をする。「一席―・う」
引用:goo辞書
伺うには
- 「聞く」の謙譲語・拝聴する・お聞きする
- 「尋ねる」「問う」の謙譲語
- 「訪れる」「訪問する」の謙譲語
- 神仏の託宣を願う
- 寄席などで、客に話をする
などの意味があり、どこかに訪問する際に用いられます。
明日、お伺いします。
「おいとまする」は謙譲語ですので、反対の意味を表したい場合には「訪れる」の謙譲語の「伺う」を使います。