飲食店経営の課題を読み解く 上間喜壽氏(上間天ぷら弁当店代表)

2018-06-13 12:34:00投稿 (記事提供:沖縄タイムス)

 プレジデントオンライン9日付で紹介された「定年後に“趣味の飲食店”を始めた人の末路」で、投資ファンドを運営する三戸政和氏は、退職後に飲食店を経営したいと夢を抱く人は多いが、「経験のない人が趣味の延長上として飲食業で起業するのは絶対にやめたほうがいい」と断言する。
 飲食店はイメージもしやすく、やってみたいという方も多い業種ではないでしょうか? 沖縄は人口当たりの飲食店数が日本一多いですが、倒産や廃業も日本一です。実際の飲食店経営は非常に難しいと僕自身痛感しています。まずはその難しさを挙げてみます。
 (1)立地でほぼ勝負が決まる
 お客さまが来店して初めて売り上げが生まれます。お客さまがいる場所になければ良い商品でも売れないのです。立地の選択で成功の80%が決まります。逆に良い立地だと商品やサービスに力がなくても成り立つともいえます。
 (2)業態選択で店舗展開の上限が決まる
 どんな種類の飲食店をやるかで店舗展開の上限が決まります。皆さんは沖縄そばは月に何回食べるでしょうか? すしやラーメンなど国民食と呼ばれる業態ほど消費者数が多く、食べる回数も多く売り上げ獲得がしやすくなります。タイ料理のような万人受けしない飲食店は消費者数が少なく、売り上げはあまり期待できません。ただ、国民食かつ安い価格帯の商品は既に強い大手が多いです。
 (3)人の採用がしにくい
 労働集約型のビジネスで、人の採用が必須です。近年は人口減に伴う人材確保が難しくなっています。人件費率が売り上げの25~35%を占める飲食業は影響を受けやすい構造です。これらをどう乗り切るかが飲食店の大きな課題です。
 では対策はどうすればいいか?
 (1)経営戦略を持つ
 立地や業態選択が大きな鍵を握ることを前提に、どんな飲食店をどこで誰に向けて、どの価格帯でやるかを戦略的に決めていくことが大切です。自分の強み・弱みは何か? どうやれば競合に勝てるか? を考えます。
 (2)初期投資費用を抑える
 未経験の方が勘違いしがちなのが「おしゃれな店舗を造ればお客さまは来てくれる」というものです。これは大きな勘違いです。先立つ良い立地や商品、業態選択ありきです。小さく凡打でいいのでヒットを打つ感覚を小さな投資で得ていくことが大事です。
 (3)数値管理を徹底する
 個人事業の飲食店や中小企業は売り上げ、客数、客単価、原価率や人件費率、ロス率、固定費の管理を丼勘定でやってしまいがちです。数値管理を行い、数字を基に改善を打つ経営ができればそれだけで強い競争力となります。
 戦略的な経営に取り組む経営者が増えれば沖縄の経済はもっと活性化していくと思います。(上間天ぷら弁当店代表)