「翻って」という言葉には、「これとは反対に」という意味があります。
それまで述べていたことと反対の事を表す時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「翻って」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
翻っての意味は『反対に』
翻っての読み方は「ひるがえって」です。
語源は、『種を散りまく』の象形である「羽」と、『区画された耕地』の象形である「鳥」の両翼」の象形です。
この2つを合わせ、鳥が羽根をのびやかに広げひるがえるを意味する「翻」という漢字が成り立ちました。
『翻って』には
- 反対に
- これとは別に
などの意味があります。
「翻って」の正しい使い方を例文で紹介!
「翻って」は、それまでとは異なる意見を表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
世間の給与水準を見ると毎年増額している。翻って我が社の給与は5年間ずっと変わらない。
例文②
街は幸せそうなカップルで溢れているが、翻って私は独り身で、哀愁が漂っている。
例文③
彼の些細な発言から喧嘩をしてしまったが、翻って見ると、自分にも多少の落ち度はあった。
【翻ってを使う時の注意点】
「翻って」という言葉は、「反対に」という意味で用いますが、説明したい物事が必ず正反対である必要はありません。
「別の角度から」「他方では」というニュアンスでも使用する言葉です。
また、よく見られる「翻って」の例文として「競技場に掲揚されている国旗が翻っている」などがあります。
これは動詞である「翻る」の意味、『さっと裏返す』『風などに吹かれてひっくり返る』の語尾が変化したものです。
今回の「翻って」は動詞などを修飾する副詞としての説明なので、厳密にいうと用途や意味が若干異なります。
文脈をよく見極めて意味を判断してください。
「翻って」の類義語・言い換え3選
『翻って』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 反面
- 片や(かたや)
- 一方
類義語①反面の意味
- 反対の面。反対の方面。
- (副詞的に用いて)他の面から見る場合。他面。
引用:goo辞書
子育ては喜びや楽しみも多い反面、イライラも募ることが多い。
類義語②片や(かたや)の意味
- 相対するものの片一方は。
- 相撲で、取り組みに際し、行司が先に呼び上げるほう。後からの力士には「こなた」と言う。
引用:goo辞書
片や勤勉で努力家の兄、片やセンスの塊、才能だけで生きる弟。
どちらもお互いにないものを持っている。
類義語③一方の意味
- 一つの方面。一つの方向。
- 二つあるうちの一つ。片方。
- (副助詞的に用いて)もっぱらその方向・方面にかたよること。…するばかり。だけ。
- 接続助詞的に用いて)…する反面。…と同時に。
引用:goo辞書
どちらか一方の言い分だけを聞いても、物事の善し悪しは判断出来ない。
「翻って」は英語で『on reflection』
翻っては英語の『on reflection』に言い換えることができます。
英語の『on reflection』には
- 翻って考えると
- 一周回って
という意味があります。
「翻って」の対義語・反対語はありません
翻っての対義語は、ありません。