「口は災いの元」という言葉には、「不用意な発言が思いがけない災難を招く」という意味があります。
でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「口は災いの元」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
口は災いの元の意味は『不用意な発言が思いがけない災難を招く』
口は災いの元の読み方は「くちはわざわいのもと」です。
由来は『古今事文類集・後集』です。
その中に「口は是れ禍の門、舌は是れ身を斬るの刀なり」という一文があり、これを現代語に訳すと、迂闊なことを言うと禍が起きて、舌は槍よりも多く身を傷つけるという意味になります。
これが転じて、不用意な言葉から災難を招くことがあるので、発言は慎重にすべきものであるという戒めのことを「口は災いの元」と表現するようになりました。
『口は災いの元』には
- 不用意な発言が思いがけない災難を招くということ
などの意味があります。
「口は災いの元」の正しい使い方を例文で紹介!
「口は災いの元」は、ビジネスシーンや日常生活において使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
口は災いの元と言うし、言葉選びには慎重になるべきです。
例文②
迂闊な発言で左遷されてしまった上司を見て、まさに口は災いの元だと思いました。
例文③
口は災いの元と言いますから、陰口は控えた方がいいと思います。
例文④
ちょっと口を出したら取引先を怒らせてしまい、口は災いの元だと痛感しました。
例文⑤
自分の発言に責任を持てるよう、「口は災いの元」を座右の銘にしています。
【口は災いの元を使う時の注意点】
発言によって失敗することを表す言葉ですが、戒めとして座右の銘にすることもあります。
「口は災いの元」の類義語・言い換え4選
『口は災いの元』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 雉も鳴かずば打たれまい
- 舌は禍の根
- 物言えば唇寒し秋の風
- 沈黙は金、雄弁は銀
類義語①雉も鳴かずば打たれまいの意味
よけいなことを言わなければ、災いを招かないですむことのたとえ。
引用:goo辞書
雉も鳴かずば撃たれまいと言うのに、どうして彼女は余計なことばかり言うんだろう。
類義語②舌は禍の根の意味
言葉は災難を招くもとであるということ。口は禍の門 (かど) 。
引用:goo辞書
友人にアドバイスしたつもりが怒らせてしまったので、舌は禍の根だと実感しました。
類義語③物言えば唇寒し秋の風の意味
《芭蕉の句から》人の短所を言ったあとは、後味が悪く、寂しい気持ちがする。転じて、何事につけても余計なことを言うと、災いを招くということ。
引用:goo辞書
物言えば唇寒し秋の風と詠まれているように、余計なことは口にしない方がよい。
類義語④沈黙は金、雄弁は銀の意味
沈黙を守るほうがすぐれた弁舌よりもまさるというたとえ。西洋のことわざ。
引用:goo辞書
沈黙は金、雄弁は銀と言う通り、交渉の場面では黙ることも重要だ。
「口は災いの元」と「口は禍の門」の違いは?
「口は災いの元」と「口は禍の門」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「口は災いの元」には不用意な発言が思いがけない災難を招くという意味がありますが、
それに対し「口は禍の門」には、不用意な言葉から災難を招くことがあるので、言葉は慎むべきものであるという戒めという意味があります。
どちらも同じような意味で使うことができますが、一般的には「口は災いの元」の方が浸透しているため、文脈によって使い分けるといいでしょう。
「口は災いの元」は英語で『Out of the mouth comes evil.』
口は災いの元は英語の『Out of the mouth comes evil.』に言い換えることができます。
英語の『Out of the mouth comes evil.』には
- 口は災いの元
という意味があります。
「口は災いの元」の対義語・反対語は『歯に衣着せぬ』
口は災いの元の対義語は、『歯に衣着せぬ』になります。
歯に衣着せぬには
- 思ったとおりをずけずけと言う
などの意味があり、率直に意見を言う様子を表すときに用いられます。
彼の歯に衣着せぬ批評は、賛否両論を呼んでいる。
「口は災いの元」は不用意な発言が思いがけない災難を招くという意味で使われ、「歯に衣着せぬ」は思ったとおりをずけずけと言うという意味で使われます。