「身も蓋もない」という言葉には、「言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない」という意味があります。
日常生活やビジネスシーンでもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「身も蓋もない」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
身も蓋もないの意味は『言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない』
身も蓋もないの読み方は「みもふたもない」です。
語源は蓋のついた容器からきており、
物を入れる容器と蓋がなければ、何も入れられないし何も隠せない状態にあることから、ものごとを率直に表現しすぎて風情も情緒も感じられないと言われるようになりました。
『身も蓋もない』には
- 言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない
- にべもない・素気ない・愛想がない
などの意味があります。
「身も蓋もない」の正しい使い方を例文で紹介!
「身も蓋もない」は、言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない表現や発言に対して批判する場合に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
上司の身も蓋もない発言に、周囲は驚きの表情を隠せなかった。
例文②
彼女の言い方は身も蓋もないが、一理あるなと思っている。
例文③
彼の身も蓋もない言い方に傷つきました。
例文④
身も蓋もないのは承知ですが、これは成功する気がしません。
例文⑤
思い切って告白しましたが、「タイプではない」と身も蓋もない一言で終わりました。
【身も蓋もないを使う時の注意点】
「身も蓋もない」は言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない・にべもないという意味です。
分かりやすく言うと、ものごとを率直に表現しすぎて風情も情緒も感じられないということを指しており、言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない表現や発言に対して批判するときに使われます。
また、自分の発言を包み隠さず話す前にクッション材としてやわらかい印象を与えるためにも使われます。
「身も蓋もない」の類義語・言い換え5選
『身も蓋もない』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 元も子もない
- 単刀直入
- 一刀両断
- にべもない
- 歯に衣着せぬ
類義語①元も子もないの意味
読み方:もともこもない
本来の意義や当初の目的などが失われるだけでなく、失う必要のないものまで予期せず失われること。この場合の「元」は「元手」となる元金のことを指し、「子」は利子のことを指す。
引用:weblio辞書
練習のやりすぎで怪我をしてしまったら、元も子もないよ。
類義語②単刀直入の意味
単刀直入に言うと、この資料は分かりずらいです。
類義語③一刀両断の意味
仕事が順調にすすまないので、上司が一刀両断の処置をした。
類義語④にべもないの意味
そっけない、愛想がない、といった意味。
引用:weblio辞書
私が話を始めた途端、にべもなく話を遮られた。
類義語⑤歯に衣着せぬの意味
歯に衣着せぬコメントが売りのタレントは人気があるし、好感が持てる。
「身も蓋もない」と「元も子もない」の違いは?
「身も蓋もない」と「元も子もない」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「身も蓋もない」には言葉が露骨すぎて、潤いも含みもないという意味がありますが、
それに対し「元も子もない」には、本来の意義や当初の目的などが失われるだけでなく、失う必要のないものまで予期せず失われることという意味があります。
「身も蓋もない」と「元も子もない」はどちらもマイナスのイメージを持っている部分は似ていますが、
「元も子もない」は欲張ってすべてを失うことを指しており、「身も蓋もない」は始めから失うことがない・どうしようもないという意味です。
「身も蓋もない」は英語で『outspoken』
身も蓋もないは英語の『outspoken』に言い換えることができます。
英語の『outspoken』には
- 遠慮なく言う・ずけずけ言う・歯に衣を着せない・積極的に発言する
- 率直な・遠慮のない・辛口の
という意味があります。
「身も蓋もない」の対義語・反対語は『オブラートに包む』
身も蓋もないの対義語は、『オブラートに包む』になります。
オブラートに包むには
- 相手を直接的に刺激するような表現を避け、遠回しな言い方をする
という意味があり、直接的に物を言わないで相手に伝えるときに用いられます。
今後の関係のためにも、オブラートに包んで伝えた方がいいと思うよ。
「身も蓋もない」は言葉が露骨すぎて、潤いも含みもないという意味で、相手に刺激を与える場合もありえる伝え方です。
それに対して「オブラートに包む」は相手を直接的に刺激するような表現を避け、遠回しな言い方で伝えるという意味です。