「勇み足」という言葉には、「調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること」という意味があります。
スポーツやビジネスの場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「勇み足」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
勇み足の意味は『調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること』
勇み足の読み方は「いさみあし」です。
元々は相撲の決まり手のひとつでした。
相手を土俵際まで追い込んで、優勢かと思われた力士が、勢いあまって相手より先に土俵の外に足を出してしまい、負けてしまうことを指します。
そこから転じて、一般的にも調子づいて失敗したり、やりすぎてしまうことを意味する言葉として使われるようになりました。
『勇み足』には
- 相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から先に足を土俵の外に踏み出すこと
- 調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること
などの意味があります。
「勇み足」の正しい使い方を例文で紹介!
「勇み足」は、スポーツやビジネスの場面で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

大関昇進がかかった大一番だったが、勇み足で負けてしまった。
例文②

後輩の勇み足によって、商談が白紙になってしまった。
例文③

状況証拠のみで犯人と断定したのは、警察の勇み足でした。
例文④

社長の勇み足な発言のせいで、現場は混乱していました。
例文⑤

勇み足になるのを防ぐために、入念なチェックが必要です。
【勇み足を使う時の注意点】
一見、誉め言葉のようにも思えますが、否定的な意味合いを持つ言葉なので、使う場面には注意が必要です。
「勇み足」の類義語・言い換え3選
『勇み足』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 先走る
- フライング
- 無我夢中
類義語①先走るの意味
- 先に立って走る。転じて、他より先に物事をする。
- 他に先んじようとして、独りよがりの判断をする。他を出し抜いて、かってに行動する。
引用:goo辞書

先走った行動はチームの輪を乱すので控えて欲しい。
類義語②フライングの意味
- 飛ぶこと。飛行。
- 競走・競泳などで、スタートの号砲に先立って飛び出すこと。不正出発。
- 《2から転じて》予定の日時に先がけて物事が行われること。発売日よりも前に商品を売り出すなど。
引用:goo辞書

限定商品の店頭販売時刻をフライングしてしまった店舗が問題になっていた。
類義語③無我夢中の意味
何かに心を奪われ、われを忘れること。
引用:goo辞書

事業を成功させようと、無我夢中で仕事に取り組んだ結果、プライベートを犠牲にしてしまった。

「勇み足」と「早とちり」の違いは?
「勇み足」と「早とちり」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「勇み足」には調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすることという意味がありますが、
それに対し「早とちり」には、早合点をして、まちがえることという意味があります。
どちらも慎重さを欠いて失敗するという意味合いの言葉ですが、
「勇み足」は調子に乗ってやりすぎてしまって失敗するというニュアンスであるのに対し、「早とちり」はよく確かめずに、分かったつもりになって失敗するという意味で使われます。
「勇み足」は英語で『overeagerness』
勇み足は英語の『overeagerness』に言い換えることができます。
英語の『overeagerness』には
- 勇み足
という意味があります。
「勇み足」の対義語・反対語は『慎重』
勇み足の対義語は、『慎重』になります。
慎重には
- 注意深くて、軽々しく行動しないこと
などの意味があり、注意深い様子を表すときに用いられます。

新しいシステムを導入する前に、慎重に検討を重ねる。
「勇み足」は調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすることという意味で使われ、「慎重」は注意深くて、軽々しく行動しないことという意味で使われます。
