「親御さん」という言葉には、「他人の親の敬称」という意味があります。
日常会話で相手の親や第三者の親を敬って呼ぶ際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「親御さん」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
親御さんの意味は『他人の親の敬称』
親御さんの読み方は「おやごさん」です。
語源は古語の「御前(おんまえ、ごぜん)」が由来だという説があります。
貴人など身分の高い相手を敬って呼ぶ「御前」が、他人の親を丁寧に呼ぶ際「親の御前(おやのおんまえ)」と言われ、「親御前(おやごぜ)」になり、いつしか「親御(おやご)」と言うようになりました。
そこに親しみを込めて「さん」をつけて呼ぶようになったと言われています。
『親御さん』には
- 相手の両親
- 父母のどちらか
などの意味があります。
「親御さん」の正しい使い方を例文で紹介!
「親御さん」は、他人の親を敬って呼ぶ際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
親御さんはどのようなご職業ですか。
例文②
親御さんの許可が要ります。
例文③
付き添いで来られた親御さんは別室でお待ちください。
例文④
婚約者の親御さんは優しくて本当に素晴らしい方達です。
例文⑤
受験勉強中のお子さんをお持ちの親御さんにアンケート調査を実施しています。
【親御さんを使う時の注意点】
親御さんは両親のことを指しますが、父母どちらか一方しかいない時や健在であるかどうか不明な時にも使われます。
「親御さん」の類義語・言い換え4選
『親御さん』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- お父様・お母様
- ご家族
- 保護者
- 身内
類義語①お父様・お母様の意味
お父様、お母様への銀婚式のお祝いに温泉旅行などはいかがですか。
類義語②ご家族の意味
1 夫婦とその血縁関係者を中心に構成され、共同生活の単位となる集団。近代家族では、夫婦とその未婚の子からなる核家族が一般的形態。
2 民法旧規定において、戸主以外の家の構成員。
引用:weblio辞書
配布したプリントはご家族に見てもらってね。
類義語③保護者の意味
未成年者などを保護する義務のある人。特に、その子供の親、または親に代わる者。
引用:goo辞書
入学案内の保護者説明会を行います。
類義語④身内の意味
1 ごく親しい血縁関係にある人。家族。親類。「―だけで祝う」
2 同じ親分に属する子分。また、同じ組織に属する者。「暴力団の―どうしの抗争」「―の不祥事を隠蔽 (いんぺい) する」
3 からだの内部。また、からだじゅう。「―にしみわたる」
引用:goo辞書
身内に不幸がありまして、急遽欠席することになりました。
「親御さん」と「ご両親」の違いは?
「親御さん」と「ご両親」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「親御さん」には他人の親の敬称という意味がありますが、
それに対し「ご両親」には、相手の父母の敬称という意味があります。
どちらも他人の親を敬って呼ぶ際に使われますが、「親御さん」は父母どちらも健在かどうか、片親かどうか不明な時に失礼にならないように使われる言葉でもあります。
「ご両親」は相手の父母を敬って呼ぶ際に使われ、父母どちらも健在である場合に使われます。
また「両親」だけだと自分の両親のことになりますが、丁寧語の「ご」をつけることで相手の両親を敬う言い方になります。
「親御さん」は英語で『parent』
親御さんは英語の『parent』に言い換えることができます。
parentの意味
1 〔子どもの〕親、親御さん◆血のつながった親でも、養い親でもよい。
2 祖先、先祖
3 守護者、保護者
4 元、親◆多くのものが生まれた原型となったもの、もしくは多くの小さなものが属しているもの。◆【用法】通例、parent bankのように形容詞的に用いられる。
5 親会社◆【同】parent company
6 〔あるものを生み出す〕原因、起源
・Poverty is the parent of revolution and crime. : 貧困は革命と犯罪の源である。
7 《物理》親核◆【同】parent nucleus
引用:英辞郎ontheWEB
英語の『parent』には
- (親として子供を)養育する
- 親としての役目を果たす
という意味があります。
「親御さん」の対義語・反対語は『お子さん』
親御さんの対義語は、『お子さん』になります。
お子さんには
- 他人の子供
- ご子息、息子さん
- ご息女、娘さん
などの意味があり、他人の子供を敬って呼ぶ際に用いられます。
お子さんはおいくつになられましたか。
他人の親を敬って呼ぶ際に「親御さん」と言い、他人の子供を敬って呼ぶ際に「お子さん」と言います。
また子供の性別がわからない際にも「お子さん」と言うことで失礼のないようにする場合もあります。