「摘む」という言葉には、「爪やはさみなどで物の先端を切り取る」という意味があります。
物や事柄の端を切り取る時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「摘む」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
摘むの意味は『指先や爪の先で、はさみとる』
【摘むの意味】
- (「抓む」とも書く)指先や爪の先ではさみとる。つまみとる。「茶を―・む」「花を―・む」
- (「剪む」とも書く)はさみなどで物の先を切りとる。「枝を―・む」「髪を―・む」
- (1の比喩的用法)大きくならないうちに取り除く。「悪の芽を―・む」
- 指先ではさんで持つ「御裳 (みも) の裾―・みあげ」〈万・四四〇八〉
- 指先で強くはさむ。つねる。「わが身を―・んで人の痛さを知れ」「太刀抜きたる腕 (かひな) を捕らへていといたう―・み給へれば」〈源・紅葉賀〉
引用:goo辞書
摘むの読み方は「つむ」です。
語源は不明ですが、「摘」という漢字は手を現す部首である扌(てへん)と、一筋にまとまるった様子を現す「啇(テキ)」で構成されています。
このことから、手で摘み取ってまとめる、という意味を現していることが分かります。
『摘む』には
- 指先や爪の先ではさみとる
- 大きくならないうちに取り除く
などの意味があります。
「摘む」の正しい使い方を例文で紹介!
「摘む」は、爪やはさみなどで物の先端を切り取る時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
孫が摘んだ野の花を花瓶に飾る。
例文②
初夏は茶摘みの季節です。
例文③
教師は担任しているクラスで、いじめの芽を摘んだ。
【摘むを使う時の注意点】
「摘む」は花や芽などを取る時に使用しますが、無造作に取るのではなく選びぬいて取るというニュアンスを持っています。
「摘む」の類義語・言い換え4選
『摘む』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- もぎ取る
- 選ぶ
- 収穫
- 選別
類義語①もぎ取るの意味
- もいで取る。「枝からリンゴを―・る」
- 無理やり取り上げる。「子供の手からおもちゃを―・る」
引用:goo辞書
観光農園では、果物のもぎ取り体験が行われている。
類義語②選ぶの意味
- 多くの中から目的や基準にかなうものを取り出す。選択する。よる。えらむ。「贈り物を―・ぶ」「すぐれた作品を―・ぶ」「フォアボールを―・ぶ」
- 抜き出してその職に任ずる。選び出す。「議長に―・ばれる」
- (あとに打消しの語を伴って用いる)区別する。えり好みする。「目的のためには手段を―・ばない」
- (「撰ぶ」とも書く)著作を集めて書物を作る。撰する。「歌集を―・ぶ」
引用:goo辞書
立候補者の中から投票で応援団長を選ぶ。
類義語③収穫の意味
- 農作物をとりいれること。また、とりいれたもの。「―が多い」「―の秋」「米を―する」
- 何かをすることで得られた成果。「たいした―もなく取材から帰る
引用:goo辞書
実りの秋は収穫の季節だ。
類義語④選別の意味
選び分けること。より分けること。「品種で―する」
引用:goo辞書
収穫したりんごを大きさ別に選別する。
「摘む」と「摘まむ」の違いは?
「摘む」と「摘まむ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「摘む」には指先や爪の先で、はさみとるという意味がありますが、
それに対し「摘まむ」には指先や箸で、はさみ持つという意味があります。
この2つの言葉の大きな違いは「取る」か「持つ」かです。
これは例文を使用すると、より違いが分かりやすくなります。
『花を摘む』は花を野原や畑から切り取ることを現しますが、
『花を摘まむ』は花を切り取っていてもいなくても、指先で掴んでいることを現します。
この2つの区別は大抵の場合、送り仮名で分かりますが辞書サイトを見ると「摘む」と書いて、『つまむ』と読む場合もあります。
文脈を見てどちらの意味が適切であるか、見極める事が必要です。
「摘む」は英語で『pick』
摘むは英語の『pick』に言い換えることができます。
pickの意味
(…を)(入念に)選ぶ、選び取る、(…を)選ぶ、(…を)選び取る、選んでさせる、(足の踏み場を選んで)注意深く進む、摘む、もぐ、採集する、摘んでやる
英語の『pick』には
- 入念に選ぶ
- 選び取る
という意味があります。
「摘む」の対義語・反対語はありません
摘むの対義語は、ありません。