「筆不精」という言葉には、「面倒がって文章を書かないこと」という意味があります。
手紙やメールなどの返信が遅い人に対して使われることが多い言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「筆不精」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
筆不精の意味は『面倒がって文章を書かないこと』
筆不精の読み方は「ふでぶしょう」です。
語源は文字を書く道具の「筆」と、体を動かして物事をすることを面倒がる「不精」を組み合わせたものです。
『筆不精』には
- 面倒がって手紙や文章などをなかなか書こうとしないこと・またそのさまや、そのような人
という意味があります。
「筆不精」の正しい使い方を例文で紹介!
「筆不精」は、文章を書くことを面倒がる人に対して使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
朝起きるとテーブルの上に手紙が置かれていた。手に取ってみると、それは筆不精の夫が書いたものだと気づき驚いた。
例文②
筆不精なので、急に文章を書けと言われてもすぐには書けないよ。
例文③
何十枚もの論文を書き上げることは、筆不精な彼にとっては至難の業に違いないでしょうね。
例文④
いくら筆不精だからと言ってこれほど重大な質問に一か月も返信してこないだなんて、あまりに失礼なんじゃないの。
例文⑤
筆不精な僕でも、年賀状くらいは書くようにしているよ。
【筆不精を使う時の注意点】
本来は手紙や文章を書くことを面倒がる人のことですが、現代ではメールやLINEなどを面倒がる人のことも筆不精といいます。
「文章を書くのが下手」という意味合いは一切含まれていないので、「君は筆不精だね」と言われたら文章力ではなくメール等の返信頻度が少ないことを指摘されていることに気づきましょう。
「筆不精」の類義語・言い換え5選
『筆不精』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- だらしない
- ものぐさ
- ずぼら
- 怠慢
- 横着
類義語①だらしないの意味
いくら顔が良くてもお金にだらしない人とは絶対に結婚したくないわ。
類義語②ものぐさの意味
《古くは「ものくさ」》めんどうがること。また、その性質・人や、そのさま。無精。
引用:goo辞書
うちの兄はものぐさで、自分の部屋だけでなくリビングまで散らかすので実に迷惑だ。
類義語③ずぼらの意味
しっかりしておらずだらしのないさま。行うべきことをしないような性格。
引用:weblio辞書
君は本当にずぼらだね。食器くらいすぐに洗えばいいのに。
類義語④怠慢の意味
当然しなければならないことをしないこと。なまけて、おろそかにすること。また、そのさま
引用:goo辞書
彼の職務怠慢のせいで同じチームの私たちは余計な仕事をするはめになり、本当に困っています。
類義語⑤横着の意味
そんな横着なやり方をしても、あとで困るのは君たちなんだよ。はじめからしっかり考えて丁寧に取り組みなさい。
「筆不精」と「筆無精」の違いは?
「筆不精」と「筆無精」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
どちらも面倒がって手紙や文章などをなかなか書こうとしないという意味があります。
読み方も同じなので、違いは「フ」に当てる漢字だけです。
戦前の辞書では「筆不精」という字が使われていました。
しかし、戦後の昭和21年「当用漢字」で「不」は「ブ」と読まず、「ブ」は「無」を使うよう制定されたため、「筆無精」となりました。
その後、昭和48年「当用漢字改定音訓表」で「不」を「ブ」と読むことも許容されることになったため、「筆不精」も再び使えるようになりました。
そのため、現在では「筆不精」と「筆無精」、どちらを使っても間違いではありません。
「筆不精」は英語で『poor letter writer』
筆不精は英語の『poor letter writer』に言い換えることができます。
英語の『poor letter writer』には
- 筆不精
という意味があります。
「筆不精」の対義語・反対語は『筆忠実』
筆不精の対義語は、『筆忠実』になります。
筆忠実には
- 億劫がらずに手紙や文章をこまめに書くこと・またそのさまや、そのような人
などの意味があり、手紙やメールなどを頻繁にしてくる人に対して用いられます。
海外に住む叔母は筆忠実な人で、月に一度は写真付きの手紙を送ってきてくれる。
筆不精は手紙やメールなどの連絡を面倒に思ってなかなか書かない人のことを指しますが、筆忠実はそれらを億劫がらずにまめに書く人のことを指します。