「有象無象」という言葉には、「数は多いが、種々雑多なくだらない人や物」という意味があります。
ネガティブな意味を込めて相手を見下している時や皮肉で使うときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「有象無象」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
有象無象の意味は『数は多いが、種々雑多なくだらない人や物』
有象無象の読み方は「うぞうむぞう」です。
「有象」と「無象」はどちらも仏語からきており、
『有象無象』には
- 数は多いが、種々雑多なくだらない人や物
- ろくでもない連中のこと
- 形があるものも・ないものもすべて・有形無形のすべて
などの意味があります。
「有象無象」の正しい使い方を例文で紹介!
「有象無象」は、大勢の相手や物を見下している時や皮肉で使うときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
どの作品も有象無象で、光るものはありませんでした。
例文②
SNSは有象無象の世界なので、何を言われても気にしないことが大切です。
例文③
この提案すべてが有象無象で選ぶことができないので、やり直してください。
例文④
映画が有象無象で途中で帰る人がいっぱいいたよ。
例文⑤
ありがとうございます。有象無象にならないよう気を付けたいと思います。
【有象無象を使う時の注意点】
「有象無象」は「数は多いが、種々雑多な取るに足らない人達や物」という意味で、相手にする必要のないくだらない人々や物の集団を意味します。
不特定多数の相手や物を見下している時や皮肉で使う言葉なので、ビジネスシーンなどで使うと失礼な言い方になり、誤解を招く可能性があるので使い方には注意が必要です。
「有象無象」をビジネスシーンで使いたい場合は、例文⑤のように自分を謙遜した形で表現すれば失礼な言い方にはならないでしょう。
「有象無象」の類義語・言い換え4選
『有象無象』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 森羅万象
- 烏合の衆
- 諸事万端
- 小物
類義語①森羅万象の意味
読み方:しんらばんしょう
天地間に存在する、数限りないすべてのもの(万物)や事象。「森羅」は樹木が限りなく茂り並ぶ意で、たくさん連なること。「万象」はすべての形あるもの、有形のものの意。「万象」は「ばんぞう」「まんぞう」とも読む。
引用:goo辞書
今回選ばれたことがとても嬉しいです。森羅万象のすべてに感謝しています。
類義語②烏合の衆の意味
キャプテンがしっかりリーダーシップをとらなければ、このチームは烏合の衆だ。
類義語③諸事万端の意味
大切な商談なので、諸事万端抜かりのないよう準備をお願いします。
類義語④小物の意味
読み方:こもの
- こまごまとしたもの。小さい道具類や付属品など。
- つまらない人物。小人物。
- 釣りで、小さい魚。つまらない小魚。
- 劇場・寄席・遊郭などで、客に貸し出すタバコ盆・座布団・火鉢など。
- 正式の料理以外に出す、ちょっとしたつまみもの。新香 (しんこ) など。
引用:goo辞書
自分の成長のためにも、小物は相手にしないと決めています。
「有象無象」と「森羅万象」の違いは?
「有象無象」と「森羅万象」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「有象無象」には数は多いが、種々雑多なくだらない人や物という意味がありますが、
それに対し「森羅万象」には、天地間に存在する、数限りないすべてのもの(万物)や事象という意味があります。
「有象無象」と「森羅万象」はどちらも、「この世に存在している有形無形のすべてのもの」という意味が含まれている四字熟語です。
「有象無象」には、「不特定多数のくだらない人や物」「ろくでもない人物」などの大勢のことを貶めたネガティブな表現も含んでいるので使い方には注意が必要です。
「有象無象」は英語で『rabble』
有象無象は英語の『rabble』に言い換えることができます。
英語の『rabble』には
- 下層階級・大衆・庶民
- やじ馬連・群衆
という意味があります。
「有象無象」の対義語・反対語はありません
有象無象の対義語は、ありません。