「畏敬の念」という言葉には、「崇高なものや偉大な人物に対して畏れ敬う気持ち」という意味があります。
偉大な存在に対してよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「畏敬の念」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
畏敬の念の意味は『崇高なものや偉大な人物に対して畏れ敬う気持ち』
畏敬の念の読み方は「いけいのねん」です。
語源は崇高なものや偉大な人をおそれうやまうことの意の「畏敬」と、おもう・考えるの意の「念」が合わさった言葉で、
『畏敬の念』には
- 神や仏などの崇高なものや偉大な人物に対して畏れ敬う気持ち
などの意味があります。
「畏敬の念」の正しい使い方を例文で紹介!
「畏敬の念」は、崇高なものや偉大な人物に対して心から尊敬する気持ちを表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
オリンピック代表選手のプレイを間近でずば抜けた才能を見たとき、畏敬の念を感じました。
例文②
人生で辛いことがあったとき、畏敬の念を抱きながら海を眺めるとやる気が起きます。
例文③
辛い時に助けてくださった、校長先生に畏敬の念を持って感謝を伝えました。
例文④
小さなころから努力し、有言実行で夢をかなえた彼に畏敬の念を抱いています。
例文⑤
快晴でないが、山になびく雲に神々しさと畏敬の念を抱きながら、コーヒーを飲んでいます。
【畏敬の念を使う時の注意点】
「畏敬の念」は、崇高なものや偉大な人物に対して畏れ敬う気持ちという意味で、美しい自然・風景・アートに心が動かされた時や偉人などに対して尊敬する想いを表す時に使われます。
また、身近な人に対して使うと、わざとらしく捉えられることもあるので注意が必要です。
身近な人に使う場合は、「尊敬」などの別の言い回しを使うようにしましょう。
「畏敬の念」の類義語・言い換え5選
『畏敬の念』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 崇拝
- 敬愛の念
- 仰ぎ見る
- 尊敬
- 敬意
類義語①崇拝の意味
世界一崇拝している人に会ったら、頭が真っ白になってしまいました。
類義語②敬愛の念の意味
私の周りの友達はみんな優しくて素晴らしい方々ばかりで、敬愛の念しかない。
類義語③仰ぎ見るの意味
私が仰ぎ見る師匠の作品をぜひ見てもらいたいです。
類義語④尊敬の意味
大変お世話になった、高校の先生のことを心から尊敬しています。
類義語⑤敬意の意味
優勝はできなかったが、決勝まで勝ち進むまで努力し続けた選手たちに敬意を表します。
「畏敬の念」と「畏怖の念」の違いは?
「畏敬の念」と「畏怖の念」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「畏敬の念」には崇高なものや偉大な人物に対して畏れ敬う気持ちという意味がありますが、
それに対し「畏怖の念」には、おそれおののくことという意味があります。
どちらも似た言い回しですが、「畏敬の念」は神や仏などの崇高なものや偉大な人物に対して敬う気持ちを表し、
「畏怖の念」は恐れおののく気持ちを表しています。
つまり、「畏怖の念」には「恐怖」の感情が含まれることが異なる点になります。
漢字が一文字違うだけで印象が大きく異なるため、混同しないよう注意が必要です。
「畏敬の念」は英語で『reverence』
畏敬の念は英語の『reverence』に言い換えることができます。
英語の『reverence』には
- (深い尊敬・愛情をもった)崇敬・尊敬
- 敬意・尊師
という意味があります。
「畏敬の念」の対義語・反対語は『軽蔑』
畏敬の念の対義語は、『軽蔑』になります。
軽蔑には
- いやしいもの劣ったものなどとみなして、ばかにすること
- さげすむこと
などの意味があり、つまらないなどと感じて馬鹿にすること相手を軽く見て侮ることを表すときに用いられます。
どんなに嫌いな人だとしても、軽蔑した目で見るのはやめなさい。
「畏敬の念」は崇高なものや偉大な人物に対して畏れ敬う気持ちを意味し、「軽蔑」はいやしいもの、劣ったものなどとみなして馬鹿にすること・さげすむことを意味します。
「軽蔑」には敬う感情が一切なく、相手を見下していることを表現する時に使います。