「老獪」という言葉には、「いろいろ経験を積んでいて、悪賢いこと」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「老獪」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「老獪」の意味は『いろいろ経験を積んでいて、悪賢いこと』
老獪の読み方は「ろうかい」です。
明確な語源や由来はありませんが、「老」と「獪」のそれぞれの意味は、
- 「老」は、年を取っていること、経験豊富であること
- 「獪」は、ずる賢いこと
この2つが合わさってできた言葉です。
『老獪』には
- いろいろ経験を積んでいて、悪賢いこと
- 老猾
などの意味があります。
「老獪」の正しい使い方を例文で紹介!
「老獪」は、いろいろ経験を積んでいて、悪賢いことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

長年の経験を積んだ営業部長は、老獪な戦略でライバルに差をつける。
例文②

老獪な政治家に言いくるめられないように気を付ける。
例文③

彼は老獪なやり方で仕事をうまく進める。
例文④

交渉では、老獪な相手に注意が必要だ。
例文⑤

老獪な詐欺師の話術に、つい引き込まれそうになった。
【老獪を使う時の注意点】
「老獪」は経験に基づいた巧妙さや抜け目のなさを表す言葉です。
単なるずる賢さとは違い、文脈によって肯定的にも否定的にも使えます。
また、目上の人に使うことが多い言葉ですので、ニュアンスに注意しましょう。
「老獪」の類義語・言い換え4選
『老獪』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 狡猾
- 悪賢い
- 抜け目が無い
- 海千山千
類義語①狡猾の意味
ずるく悪賢いこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書

彼は狡猾な戦略で、他社に差をつけた。
類義語②悪賢いの意味
悪いほうによく知恵がまわる。ずるくて抜け目がない。
引用:Weblio辞書

悪賢い部下は、自分の利益だけしか考えていない。
類義語③抜け目が無いの意味
注意深く、やることに抜けたところがない。また、自分の利益になりそうだと見れば、その機会を逃さない。
引用:Weblio辞書

彼は抜け目が無く、会議資料はいつも完璧だ。
類義語④海千山千の意味
海千山千とは、さまざまな経験を積んで、物事の裏表を知り尽くして悪賢いこと。
引用:Weblio辞書

あの政治家は海千山千で、どんな困難にも対応できる。

「老獪」と「狡猾」の違いは?
「老獪」と「狡猾」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「老獪」にはいろいろ経験を積んでいて、悪賢いことという意味がありますが、
それに対し「狡猾」には、ずるく悪賢いことという意味があります。
「老獪」は、経験に裏打ちされた巧みさや抜け目のなさを表す言葉で、ポジティブな文脈でもネガティブな文脈でも使うことができますが、「狡猾」はずる賢く巧みに立ち回ることを指し、ネガティブな場面で使われるのがほとんどです。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「老獪」は英語で『cunning』
老獪は英語の『cunning』に言い換えることができます。
英語の『cunning』には
- こうかつな
- ずるい
- 悪賢い
という意味があります。
「老獪」の対義語・反対語は『純粋』
老獪の対義語は、『純粋』になります。
純粋には
- 邪念や私欲のないこと
- 気持ちに打算や掛け引きのないこと
などの意味があり、邪念や私欲のないことを表す際に用いられます。

彼女は純粋な好奇心で、新しい仕事に挑戦した。
いろいろ経験を積んでいて、悪賢いことという意味の「老獪」に対して、邪念や私欲のないことという意味の「純粋」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
