「省察」という言葉には、「自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えること」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「省察」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「省察」の意味は『自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えること』
省察の読み方は「せいさつ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「省」と「察」のそれぞれの意味は、
- 「省」は、かえりみること
- 「察」は、物事を深く見抜くこと
この2つが合わさってできた言葉です。
『省察』には
- 自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えること
などの意味があります。
「省察」の正しい使い方を例文で紹介!
「省察」は、自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

日々の言動を省察することが、自己研鑽につながる。
例文②

省察を重ねることで、人間としても成長することができる。
例文③

この本は、筆者の体験を省察したものだと言われています。
例文④

今日の失敗を省察することで、次に繋げたい。
例文⑤

人のことをいう前に、自分のことを省察すべきです。
【省察を使う時の注意点】
「省察」は、じっくりと考えたり深く見つめ直したりする場面で使われる言葉です。
やや硬い表現のため、日常会話よりは論文やレポート、フォーマルな場面で使われますので、覚えておきましょう。
「省察」の類義語・言い換え4選
『省察』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 内省
- 反省
- 自省
- 振り返り
類義語①内省の意味
自分の考えや行動などを深くかえりみること。反省。
引用:Weblio辞書

じっくりと内省する時間が、今の私には必要です。
類義語②反省の意味
自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること。
引用:Weblio辞書

しっかりと反省し、改善を試みることが大事です。
類義語③自省の意味
自分の言動を反省すること。
引用:Weblio辞書

部長との面談を通して、自省することができた。
類義語④振り返りの意味
時間的または空間的に後方を見ること。振り返ること。
引用:Weblio辞書

これまでの作業を振り返る時間を作ることができてよかった。

「省察」と「反省」の違いは?
「省察」と「反省」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「省察」には自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えることという意味がありますが、
それに対し「反省」には、自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えることという意味があります。
「反省」は、行動や失敗を改める目的で使われますが、「省察」は内面的なことなどについて深く考える自己理解のために使われることが多い言葉です。
似ている言葉ですが、「省察」よりも「反省」の方が一般的に広く使われる言葉ですので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「省察」は英語で『introspection』
省察は英語の『introspection』に言い換えることができます。
英語の『introspection』には
- 内省
- 内観
- 自己反省
という意味があります。
「省察」の対義語・反対語は『無自覚』
省察の対義語は、『無自覚』になります。
無自覚には
- 自分のすることについての自覚がないこと
などの意味があり、自分のすることについての自覚がないことを表す際に用いられます。

無自覚でも、人を傷つけるようなことを言ってはいけない。
自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えることという意味の「省察」に対して、自分のすることについての自覚がないことという意味の「無自覚」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
