「戦々恐々」という言葉には、「恐れ戦く様子・畏れ慎んでいる様子」という意味があります。
何かに恐れていることを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「戦々恐々」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「戦々恐々」の意味は『恐れ戦く様子・畏れ慎んでいる様子』

戦々恐々の読み方は「せんせんきょうきょう」です。
語源は、中国最古の詩集 『詩経』 に書かれていた「戦戦兢兢(せんせんきょうきょう)」という言葉です。
これは、小さなことにも注意を払い、恐れ慎むさまという意味で使われていました。
この意味が日本に伝わった際に転じて、「非常におそれてビクビクする」という意味合いで使われるようになりました。
『戦々恐々』には
- 恐れ戦く様子
- 畏れ慎んでいる様子
などの意味があります。
「戦々恐々」の正しい使い方を例文で紹介!

「戦々恐々」は、恐れ戦く様子や畏れ慎んでいる様子を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

上司に怒られるのではないかと、戦々恐々としながら出社した。
例文②

戦々恐々としながら、取引先との会議に臨んだ。
例文③

明日の発表のことを考えると、戦々恐々としてしまう。
例文④

雷の音に戦々恐々としてしまった。
例文⑤

クライアントの厳しい質問に、営業担当は戦々恐々の態度を見せた。
【戦々恐々を使う時の注意点】
「戦々恐々」は、非常に恐れてビクビクしている様子を表す四字熟語です。
日常会話ではやや大げさなニュアンスなので、文章やビジネス文書で使われます。
軽い不安ではなく、強い恐怖や緊張を表したいときに使うとよいでしょう。
「戦々恐々」の類義語・言い換え5選

『戦々恐々』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- びくびく
- おびえる
- 恐怖
- 不安
- 戦慄
類義語①びくびくの意味
絶えず恐れや不安を感じて落ち着かないでいるさま。
引用:Weblio辞書

上司の前ではいつもびくびくしてしまう。
類義語②おびえるの意味
怖がってびくびくする。
引用:Weblio辞書

彼女は犬におびえて逃げ出した。
類義語③恐怖の意味
おそれること。こわいと思うこと。また、その気持ち。
引用:Weblio辞書

その時、恐怖で身体がすくんだ。
類義語④不安の意味
気がかりで落ち着かないこと。心配なこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書

明日のプレゼンが不安で眠れない。
類義語⑤戦慄の意味
恐ろしくてからだが震えること。
引用:Weblio辞書

彼女からその話を聞いた瞬間、戦慄が走った。

「戦々恐々」と「戦戦慄慄」の違いは?

「戦々恐々」と「戦戦慄慄」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「戦々恐々」には恐れ戦く様子や畏れ慎んでいる様子という意味がありますが、
それに対し「戦戦慄慄」には、恐怖で身震いするさまという意味があります。
「戦々恐々」は少し柔らかく、文章やビジネスでも自然に使われますが、「戦戦慄慄」は文学的・古典的で、極端な恐怖を表す時に使われます。
似ている言葉ですが、使われ方やニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「戦々恐々」は英語で『trembling with fear』

戦々恐々は英語の『trembling with fear』に言い換えることができます。
英語の『trembling with fear』には
- 戦慄
- 怖ず怖ず
- 戦々恐々
という意味があります。
「戦々恐々」の対義語・反対語は『泰然自若』

戦々恐々の対義語は、『泰然自若』になります。
泰然自若には
- 何事にも動じず落ち着いた様子
などの意味があり、何事にも動じず落ち着いた様子を表す際に用いられます。

彼はどんなトラブルにも泰然自若として応じた。
恐れ戦く様子や畏れ慎んでいる様子を表す「戦々恐々」に対して、何事にも動じず落ち着いた様子という意味の「泰然自若」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
